目的地は伊豆〜Y家の血筋は世界いちぃぃぃ!〜 第3部

<前回までのあらすじ>
高校時代に友人にやらされた1本の妹ゲーム。
それに出会ってから僕、SPmasterの中で何かが変わってきました。


早坂とY、そして僕の3人で行くことになった2泊3日の伊豆旅行。
しかしその出発当日、僕が免許証を忘れてアパートまで取りに戻ったことにより、早坂家を当初の計画の約3時間遅れで出発することとなってしまいました。
そのためYの実家に着くころには、完全に夜になってました。
そしてYの祖父母が経営している貸別荘で1夜を過ごした僕達でしたが…
















目的地は伊豆〜Y家の血筋は世界いちぃぃぃ!〜






第3部「大自然の洗礼」














2日目










窓から入ってくる朝の日差しによって私はゆっくりと目覚めました。
そして起き上がろうとした私は、とある違和感に気付きます。
私がさっきまで寝ていた布団、えっっっらく固いんです。
そのせいで起きてしまったといっても過言ではない感じ。
なんでかな〜と思って布団を確認してみると、なんと私が寝ていた布団、すっごい小豆色してるんですよ。しかも正方形。こう真ん中が少し窪んでて…




ってコレ、座布団じゃねぇか!!






自分は座布団で寝ていた、その事実を認識したとき、私は昨夜の自分の行動を思い出しました。


風呂からあがる。

Yが風呂に入りに行く。早坂はすでに2階で就寝。

私も寝ようとする。

しかし布団は畳まれたまま。

今から敷くのはめんどいな…

ふと座布団が視界に入る。

そうだ、座布団で寝よう。

しかし、1枚では枕にしかならない。

だったら頭、背中、足と3枚使えばいいんじゃん!

座布団3枚設置完了。

布団を敷く手間が省けてラッキーw

そのまま就寝。




う〜ん、酔ってたのと眠かったせいだろうか、当時の自分の思考を今振り返ると意味わからないですね。
だって座布団3枚も準備してるんなら、布団を敷く手間ぐらいどうってことないでしょうに。<>むしろ普通に布団敷いたほうが楽なんじゃないですかね?






それにしても、私の上にかけた覚えの無い毛布がかかっていたのは何故かしら?
ま、まさか、幼精妖精さん!?




まぁ状況的にかけたのはYでしょうけど。








その後、起き出して来た早坂&Yと共に昨日朝食用にと買っておいたパンを食べました。
んで09:00になった頃、せっかく山と海に囲まれた大自然全開なYの故郷に居るのだから散歩にでも行こうかということで、でかけました。




まず我々が向かったのは、Yが昔通っていた小学校。
それは貸別荘から歩いて4〜5分の距離にありました。
そこは坂の途中に無理やり作ってみましたという外見以外は、ごくごく普通の小学校でちょいつまらない。(ヲイ
さらに正門らしきところに「関係者以外立ち入り禁止」の立て札も、じつに今時の小学校っぽいです。


てか、こんなのどかな場所にある小学校にすらこのような立て札があるってのが、なんとも悲しいですね・・・






んで元卒業生とその友人という一応関係者をギリギリなレベルで名乗れる3人で、その小学校の校庭を軽くうろついた後、小学校の少し上にある廃墟っぽい所を見学してから海へと向かいました。
坂道を下り、昔ながらの家々の間を抜けていくと目の前に現れたのは、でで〜んと威圧感たっぷりに聳え立つ堤防でした。
その堤防が開いてる所から一歩先へ踏み出すと、そこはもう海でした。
海は昨日も何度となく見ましたが、あのときは車内から、しかもちょっと遠かったので、とりあえず海に来たんだ…といった程度の感動しかありませんでしたが、それが今はすぐそこは海、一歩踏み出せば海に飛び込めるのです!海だー! やったー! ジャカジャン!
そんな感動に浸りながら海沿いに散歩する我々。
するとハイキングコ−スらしき道を発見しました。
「〜まで○km」と書かれた木製の道標など実にいい感じです。
これも見たYは、もしかしたら昔使っていた抜け道がまだあるかもと言い始めました。
それはここを登っていくとあるとのことです。
どうせ暇だし、せっかくだから行ってみようというYの意見に賛成な早坂。
私もそれに賛同しました。それに時間的に別荘に戻ってもふたご姫に間に合わないしw
そんなわけで我々はハイキングコースを進むこととなりました。






このハイキングコース、地蔵やら見晴台みたいなものがあったり、アップダウンがさほど激しくないので、たしかにハイキング向きです。
てか、これが本来のハイキングコースなんですよね!
なんでこんなことを言うかというと、ハイキングコースって名前は付いてるのに、山登り大好きなお年寄りの方々の心臓を狂わせる気満々な山道もあるってことですよ…
あれでハイキングだっつーなら、ほかのハイキングはただのウォーキングになるっつーの。




見所が結構あるこのハイキングコース、しかも景色は素晴らしい。
なので早坂はデジカメで景色を撮影するのに大忙し。
ただ途中にあった地蔵は長期間潮風にさらされ続けてきたためか風化が激しく、辛うじて原形をとどめているといったものがほとんどでした。




それから先はしばらくハイキングコースらしい山道が続きました。
そこをYを先頭に私、早坂といった順番で進んでゆく我々。
早坂が適当にネタ系の着メロを流すなか、お気楽に歩いてました。
そんな雰囲気の我々の前に、ヤツは突然姿を現したのです。






Yとだべりながら登っていた私は、ふと視界の左下に何かがうごめいているのが見えたのです。
そう、ちょうどYの足元辺り。
Yは気付いていないようですが、ふと正体が気になった私はそちらに視線をずらすと、そいつが目に入りました。


黄色と黒のコントラストがまぶしいボディ!
尾に装備された針!
広範囲をカバーできて敵を逃さない複眼!
昆虫の中でも危険とされる種類!


そう、ヤツの名は…






ス・ズ・メ・バ・チ








私「うお、ススメバチ!?」




発見者の私はまず行動停止。
Yは急いで先へ進んで距離を取り、早坂は思いっきり後ずさり。
それぞれが三者三様のリアクションをしています。
そして私はスズメバチを見続けたまま、ゆっくりと後ずさりしながら距離を取りました。
たしかここで一気に逃げるとヤツは追いかけてくるというのをどこかで聞いた覚えがあったのです。
そのままじっと見続けていると、ふとおかしなことに気付きました。


このスズメバチ、動きがやたらとふらふらしててめちゃめちゃ弱っていたのです。
そして最終的には風に飛ばされてどっかいっちゃいましたw






その後スズメバチとの遭遇をネタに話しながら歩き続けた我々は、開けた小さな原っぱのような場所に出ました。
そこは我々の膝くらいまで伸びている草が大地一面を埋め尽くしていました。
木も何本か生えていたのですが、長い間潮風をあび続けてきたためか、全部枯れ果てていました。
そのため幹が灰色になっているのは当然で、ひどいものになるとボッキリと折れてしまっているものもありました。
振り返れば大海原を眺めることが出来るのでとても眺めはいいのですが、それ以上にもの悲しさを感じました。
人が自然に手を加えてしまったため寂しくなってしまった場所は幾度と無く見てきましたが、自然そのものが作り出した寂しい風景は久々に見たためか、こう、ガラにもなく感傷に浸ってしまいました。




そんな感じに原っぱで少々立ち止まって風景を眺めていたところ、聞こえてきたブーンというとっても耳障りな音。
どう聞いても羽音だよな〜と思って音のするほうを見てみたらヤツがいた!


今度はクマンバチで御座いました


いくら山の中とはいえ、すでに危険レベルのが2匹…
なんだ、そんなに「変身!」とか叫びながら装着してほしいのか?
でもゴメンな。
私はあまりにもヘタレすぎて所属してる組織から戦力外通告受けちゃってる資格者を持つ蜂に興味は無いんだ。
でも嫌いじゃないぜ。
あの資格者の小物っぽさが見ていて微笑ましいしw
それに、これからどこまで道化街道をひた走ってくれるかが楽しみだからなwww


てか、どうせならあの真性の馬鹿ばっかな資格者の中における唯一の常識人とかにこれからなってくれませんかね?
「以前の設定なんて知らねぇぜ!」がお得意の脚本家もいることだし。
そうなれば別の意味で目立てるのにw
あ〜、でも「完全調和」のためには馬鹿でいるしかないんだったっけw








失礼、話を元に戻します。


とりあえず、ヤツはまだこちらに敵意を向けていないようなので、刺激しないように静かにその場を後にしました。
その後、すでに朽ち果てた、山小屋だったと思われる廃墟、使えるか不明な公衆便所などの脇を通りすぎ、みたび遭遇した蜂をなんとか回避した我々は、ビニールハウスがある場所に出ました。
そこまで来ると、地面はもうアスファルトに成り代わってました。ただし、ひび割れのオプション付きw
そこからはもう、少し進んだだけで貸別荘手前の道路に出てしましました。
約1時間班程度の、なかなかに楽しいハイキングでした。
まぁ命の危険は何度かありましたが、それも楽しみのひとつでしょう。




久々にいい運動をして別荘まで戻ってきたところ、我々はY母の妹さんに呼び止められました。
んで話題に上がったのが今日の昼飯のこと。
これといって決めていなかったことを我々が告げると、Y母の妹さんはピザはどうかとすすめてきました。
なんでもこの辺に石焼ピザとしてTVで紹介されたほど有名な店があるらしいのです。
だったらということで昼をそこに決めた我々は、別荘で小休止した後、そのピザ屋へ向かいました。




ちなみに


運転席:私
助手席:Y
後部座席:早坂


といった配置です。


なぜYが助手席なのかというと、我々の中で唯一の地元民であり、Y母の妹さんが説明してくれたピザ屋までの道のりを理解できたのがYにしかいなかったからというわけです。
え、だったら運転席がYでいいんじゃないかって?
ハハハ…お兄ちゃまお兄さんは勇者チャレンジャーじゃないから、そういうことはしたくないのさ。
だって君、フリーザにおびえきっちゃてるベジータと同レベルの恐怖を味わいたいかい?
さらにこれから走る道は、素敵なまでにくねくねしてて一歩間違えれば即デストローイ!(CV:某漫画のCYCLOPSのみなさん)な山道ですよ。
理解したかい?
誰しも命がおしいってわけさ。
それにお兄さんは、死ぬときは幼女のひざの上ときm(ry








失礼。話を元に戻します。


我々はYのナビの元、無事にピザ屋に着いたのですが…




Y「ここだな」
私「うわ、すごい人…」




素晴らしいほど混んでいらっしゃいました。
結構な人の数が並んでいて、軽く見ても1時間はかかると思われ。
我々はとりあえずいったん停車して会議開始。


その結果、ピザを食べた後に行こうと思っていた石廊崎に先に行ってしまおうということで話がまとまりました。
てなわけで一路、石廊崎へ。






山道からいきなり海沿いに変わった道を進むこと数十分、石廊崎手前の駐車場に到着しました。
ここから石廊崎までは歩いて行くしかないようなので、車から降りて歩いていこうとしたところ、突然おばちゃんに声をかけられました。
どうやら駐車場前の売店のおばちゃんのようで、そのおばちゃんいわく、駐車したからには自分の売店で何か買っていけとのことでした。
つまり駐車場代のかわりっていうことでしょうね。
まぁ適当にペットボトルでも買って誤魔化すことにして、我々はとりあえずそこから石廊崎へ徒歩で向かいました。




途中、すでにつぶれてしまっているテーマパーク跡を横切って少し進むと、目の前に少しずつその姿を現したのは、真っ白な灯台でした。
途端にデジカメを構えて撮影を始める早坂。
それに続いてこちらもデジカメを取り出して撮影し始めるY。
この流れからいって私もスッとデジカメを構えられればいいのですが、あいにく私はデジカメという文明機器はモッテイマセン。
なので携帯のカメラで撮影したのですが…
撮れたのはなんともショッパイ画像でした。
まぁ、所詮携帯のカメラではこの程度が限界だったのですよ。
べ、別に私の腕が悪いわけじゃないんだからね!
悪いのは携帯のカメラなんだからー!!(ぉ




何枚か撮った頃、別の角度から灯台を撮りたくなったのか、早坂が動き始めました。
そして早坂は突然道路脇の岩を登り始めたのです。
そんな早坂の行動を見たYがボソっと一言。


Y「ここって立ち入り禁止っぽいね」
早坂←気にせずにズンズン進んでゆく




まぁ、別にロープとかがあったわけではないし、場所が場所なだけに岩の反対側に落ちたら海に身投げになるだけなので、特に問題は無いと思われ(ぇ
というか、さすが伊豆半島の最南端。
見渡す限り断崖絶壁。
足を滑らそうものなら、数秒で現世とサヨナラできます。いっぺん、死んでみる?
あれですね。
ミステリー物とかで犯人が追い詰められるには最適の場所です。




ひととおり撮影して満足したのか、早坂が先へ行こうと言ったので撮影をやめて、すぐそこにある灯台へ向かいました。
灯台はもちろん立ち入り禁止でしたが、まぁこれは仕方の無いこと。
軽く見たら、そのまま先へ。
そして岬の突端にある神社に到着しました。
ここの眺めは実に格別で、目の前に見えるのはすべて海です!
天気がよければいくつかの島を見ることが出来たらしいのですが、あいにくの天気だったので海以外は見えませんでした。
それでも十分すぎる眺めの良さでした。
今度は是非とも空が晴れ渡ってる日に来たいものです。
満足いくまで景色を眺めた我々は、さすがに空腹感を感じ始めたので、駐車場へ戻ることにしました。




駐車場に戻った我々は公約どおり売店でそれぞれペッドボトルを購入。
そして来たときと同じ席に乗り込み、いざピザ屋へ。






と思った矢先、


ポタッ


私「ちくしょう、空爆が!」




鳥糞爆弾が見事にフロントガラスを直撃しました(つД`;




なんで伊豆にまで来て鳥糞攻撃をくらわにゃあかんねん!




私のみすげぇ欝な気分になりつつも、車は何事も無かったかのよう先ほどのピザ屋へと向かっていくのでした。










第3部「大自然の洗礼」











次回予告







Y「(地図を見ながら)ここを左で。」
私「左で大丈夫なんだな?」









私「ん、Y?」
早坂「寝てる。」









私「こ、これが、萌える像…」









Y「いいか、ペリーじゃないんだwww(´∀`)」








第4部「終わらぬ宴」