夏休みはせわしなく? 第2話
Y家を出発して、何回かコンビニによりつつもひた走ること約2時間。
我々は最初の目的地である秩父ミューズパークにある「旅立ちの丘」に到着しました。
旅立ちの丘…なんとナイスなネーミングでしょうか。
まさに今回の旅の出発点にふさわしすぎる名前です。
さらにここで朝日なんてのを迎えられれば、それはもう素晴らしき一日の始まりとなるでしょう。
というのが、如月とYが最初に抱いていた計画の内容でした。
(ちなみに私は「温泉でゆっくりしようぜ」程度としか今回の旅の内容を聞かされていませんでした。)
もちろん、今まで数々のネタを起こしてきた彼らの思惑通りに行くはずなどありませんでした。
なぜなら、この旅立ちの丘に到着したのは04:00前だったからです。
いくら8月とはいえ、朝日が昇るまでにはまだ約1時間はあろうかという状況。
辺りは薄暗くもなっていなく、完全なる闇。一寸先は闇状態。
我々は早すぎたのだった…
心を萌やせ 想いを萌やせ
今がその刻だ
ヲタがうごめく聖地から
2次元世界を見つめてる
もうおっさんなニートに
明日はあるか
妄想(ゆめ)を奪い去る者は
どんな奴も許さない
魂が奮える
たち上がるんだ
妹はいるさ 12人いるさ
信じる心に
幼女のために戦うのなら
今がその刻だ
(OPテーマ:今がその刻だ)
{原曲:今がその時だ}
夏休みはせわしなく?
第2話 「秩父の長き一日」
さて、いきなり予定外となってしまったわけですが、そこは我々。
いつも予定通りになどいかないので、予定外には馴れています。
なので暗闇の中、携帯電話のライトのみを頼りにとりあえず旅立ちの丘に向かいました。
んで旅立ちの丘から見た景色はというと……
こうポツポツといくつかの明かりが見えるだけなんですけど…
てか、この状況でここから旅立てって、めちゃくちゃ先行き不安なんだがw
大丈夫なのか?
ここから旅立って!?
まぁ昼間に見ればイメージも違うんでしょうけどね。
それにここから朝日を拝めるとあれば、確かに楽しみであります。
たぶん生きる希望がわいてくるのでしょうね。知らんけど。
ちなみにそれ以外にもここにはアスレチック遊具がいくつかありましたが、暗すぎて今遊ぼうとしたら間違いなく怪我するということで、いったん車に戻りました。
んで、日が昇るまでだいたい1時間程度かかるうえに、外を出歩くのはただ携帯の電池が減っていくだけというこの状況。
すっかり暇を持て余してしまいました。
そのため我々はいったんこの場を離れてどこかのコンビニにでも行って時間潰しをすることにしました。
しかし、この選択肢がいつも通り裏目に出てしまうのであった…
*運転していたわけではないですが、ずっと起き続けていたためSPmasterのHPが30減少します。
*SPmaster*
*HP:44/100*
さて、コンビニと万代書店を非常にしょぼくした店で時間を潰して我々。
外も少しずつ明るくなってきたので、いよいよ朝日でも拝めるかという時間。
なのでいそいそと旅立ちのカに向かいました。
いや〜、どんな朝日が拝めるのかしら。
んで1時間ぶりに旅立ちの丘に舞い戻ってきた我々。
そんな我々の目に入ってきたのはなんと、旅立ちの丘で完全に2人の世界を構築しているカップルでした。
なんかね、纏ってる空気が違ってた。
こういうカップルが旅立ちの丘に居ると、これからの2人で進む人生への旅立ちを表しているかのようですね。
だからね、近寄れないの(;´Д`)
つまり今回の旅の最初の目的地である旅立ちの丘に登れないの(;´Д`)
ちくしょー、さっきは早すぎて今度は遅すぎたってか?
しかし、さすがにそれではまずいってことでカップルが旅立ちの丘から2人の未来へ旅立つまでその辺にあるアスレチック遊具で遊びながら待つことにしました。
そこでさっそくYがローラースライダーで滑り出しました。
てかY、めっちゃ楽しそうなんだけど…
率先して滑り出しただけではなく、ケツ痛いとか言いながら何回も滑ってるしw
んでそれに即発されたのか、いつの間にか如月まで滑り始めてらっしゃるw
するともちろん私も滑れと言われるわけですが、このまま如月達と同じように滑ってもつまらないと思った私は定番ながら逆走、つまりローラースライダーを登ってみました。
しかし、ローラースライダーってすっげぇ滑るんですね。
なんせ、端に捕まっていないと数メートルも登れないのですよ。
それでも登りきった私。
もちろんそのまま滑り降りてくることもなく、ちゃんと階段で降りましたよ。
んで降りたところで何故か爆笑していた2人。
そうやら登ってる最中の私をデジカメで撮ってたようです。
その画像はなんというか、生まれたての小鹿といったところでした。
まぁこんなのと生きる活力に溢れている生まれたての小鹿を一緒にするのは小鹿に失礼にあたるかもしれない風味ですがw
そして次は名前は知りませんが、ボールのような物体をロープで吊るしてある遊具で遊び始めました。
しかしこのボールっぽい物、やたらと硬く、蹴ると足に激痛が走ります。
もちろん殴ると拳ではなく手首にキます。
おまけに如月がボールを吊るしている鉄柱にボールを載せてしまうというハプニングもあってか、この遊具で遊ぶのはすぐに終わってしまいました。
ほかには遊び方がさっぱり分からない謎の遊具があるだけで、我々は時間潰しが出来なくなってしまいました。
まぁさすがにそろそろどいた頃だと思って向かってみましたが、まだ居やがるの(;´Д`)
いいかげんそこから2人の未来に旅立てよアンタら。
いつまでたっても旅立ちそうにもないので、やることのなくなった我々は仕方なく旅立ちの丘から旅立ててないのにここから旅立つこととにしました。
いきなり目標達成できずかよ……
次に我々が向かったのはその名も「延命水」。
3人揃って20代前半なため延命なぞ不要な気もしますが、今はいつ死んでもおかしくないような時代です。
たとえ年齢的にはまだまだ若い我々でもいつコロっと逝ってしまうのかわかりません。
そのためにもこうやって日々自己防衛、自己予防するための行動は人間心理としては間違っていないと思われます。
まぁ水を飲んだ程度で不慮の事故まで防げるとは思えませんけどねw
んでいったん町っぽい所に戻りそこから再び山道へ。
しだいに道路の幅も車1台分通れる程度に細くなってきた頃、ようやく我々は延命水に辿り着きました。
しかし、これはどうだ?
てっきり湧き水っぽいのを想像していましたが、排水溝っぽいところから流れ出てるんですもの。
神秘性もクソもあったものではない。
それとも私が知らないだけでこういうのが当たり前なのでしょうか?
とりあえず如月とYは飲んでいましたが、少なくとも私の目には神秘性を感じなかったため、飲む機になりませんでした。
*徹夜で動き続けているため、SPmasterのHPが8減少します。
*SPmaster*
*HP:36/100*
さて、もはや見るべき場所も終わってしまい(2箇所しかなかったのかよ!)いよいよ今回のメインとなる温泉へ行こうとなったのですが、ここでも当然のことながら問題が。
現在時刻…06:30
温泉開館時間…10:;00
時間がね、早すぎるの。
なんか今回の旅は早すぎたり遅かったりと「ちょうどいい」ってのがないな。
しかも今回は今までで最長の3時間半待ちだ。
さてどうしようかということになってしまいました。
まぁ朝食をまだとっていなかったので、適当に街中を走り回ることに決定したのですがね。
そして街中を走り回ること約30分。
我々はいくつかの候補の中から朝食をとる場所をファミレスに決定しました。
さっそく店内に入った我々。
意外と人が多い中、窓際の席を陣取ってモーニングメニューとドリンクバーを注文しました。
んで注文を終えた我々はそもまま机にグッタリと倒れこみました。
さすがに全員徹夜なので、みなさんやられてます。
特にずっと運転していた如月はめちゃめちゃ眠そう。
とりあえず飯食ったら寝ると宣言してました。
そして朝食が運ばれてくるまでの間、つまり我々がグッタリしていた時です。
便所に行っていたYが青い顔をして戻ってきたのです。
どうやら便所で何かあったぽいので、一応話を聞いてみることにしました。
すると便所で遭遇したモノを普通の声の大きさで言いたくないのか、少し声を潜めてこう言ったのです。
Y「便所の中で、ヤってる…」
はぁ?
はぁぁ??
はぁぁぁぁ(;゚д゚)????
いやいやいやY、ちょっと待て!
こんな朝っぱらから、しかもファミレスのトイレだぞ!
いくら我々の旅には予想外のことしか起こらないとはいえ、さすがにありえないだろ。
そう私は笑ったわけですが
Y「だってあえぎ声が聞こえたんだぜ」
となかなかに衝撃的な発言をしてくれるY。
そしてYはさらなる衝撃的な発言をかましてくれました。
Y「しかも両方とも男の声だった…」
(;゚д゚)¥%#$&☆?!
うぉぉぉぉぉぉい!!?
朝っぱらのファミレスで何やってんだお前ら!!
Y「怖かった…」
あまりにも自分の想像外な出来事だったためか、すっかりおびえちゃってるY。
うん、気持ちはわかるよ。
人間って、自分の理解不能なモノに恐怖心を抱くからね。
でもお前ってなんでもOKじゃなかったけ?
そんなYを尻目に、私にはじわじわと好奇心が芽生え始めてきました。
んでちょうどイイタイミングで尿意をもよおしたので、さっそくトイレへ突撃。
結果…………
現場に遭遇できませんでした。
便所の個室は閉まってたのでたぶん中には居たんでしょうけど、残念ながら静かでした。
試しに出てったふりとかもしてみましたけど、特に声などは聞こえませんでした。
でもYの様子を見る限り、聞かなくてよかったのかも…
そして朝食を食べ終えたのですが、それでも温泉の開館時間までまだ2時間以上ありました。
かといって、ほかに行く場所もないのも事実なんですよ。
なので開館時間までこのままファミレスに居座るっことにしました。
即行で寝始めた如月を真似て私も寝ようかと思いましたが何故かこのときは眠気を感じていなかったので、明日の暇つぶし用にと持ってきていたDSで時間を潰すことに。
ちなみにささってるソフトはこれとこれです。
んでせっかく机もあるので、らき☆すたの方を始めることにしました。
実はこのゲーム、隠しキャラを出すのに全キャラ全シナリオをクリアしないといけないというなかなか過酷な条件なんですよ。
まぁそんなわけで、未だに隠しキャラを出せてません。
それにね、どのキャラのシナリオをクリアしたって表示されるわけではないので、たまにやるとどのキャラをクリアしたか覚えてないんですよ。
何人かは覚えているんですが、さすがに全キャラは覚えていません。
だったら記録しとけよって話ですが、攻略サイトを見て初めて知った事実なんですよ。
おまけにいくらやっても隠しキャラが出ないので攻略サイトを使ったのですが、そのときにはすでにどれだけのキャラをクリアしたか把握できなくなってました。
なのでとりあえず分かる範囲でメモを取って進めているのですが、さすがに数が多すぎて…
それに最近はやっていなかったので、今回は久しぶりにやりました。
そのためか……勝てない。
おまけにいきなり難易度が高い相手なので、何回やっても勝てない…
そんな白熱してる私の姿に目覚めた如月が興味を持ち始めました。
ちょうど白熱しすぎて腕が疲れてきたので、やり方を教えて如月にやってもらうことにしました。
ですが初心者なので、当然のごとく負けてしまいました。
しかしそれが如月の闘争心に火をつけてしまったのか、はたまたこのゲームの魅力にはまったのかは知りませんが、それからもくもくとやり続け始めたのですよ。
んで持ち主の私はというと、クリアするのを完全に如月に任せてYとPC雑誌を読んでました。
*栄養補給は出来ましたが、徹夜で動き続けているため、SPmasterのHPが4減少します。
*SPmaster*
*HP:32/100*
そして10:00を少し回った頃、そろそろ行こうかということでファミレスを出ていよいよ温泉へ。
ちなみに今回行った温泉はここ。
到着後、とりあえず温泉に入りました。
温泉の種類自体はさほど多いわけではなかったのですが、ゆっくりとお湯に浸かれるところがいい。
アパートだと湯船をはるのが面倒なので、いつもシャワーですませてしまってますから。
だから温泉に来るとゆっくりと浸かれていい感じです。
体がしんから温まってきて疲れがスーと抜けていってくれてる気がしますしね。
とりあえずこれで明日への活力をつけなければ!
ゆったりと温泉に使った後は休憩所で睡眠をとることにしましたが、ここで如月がDSを貸してくれと言ってきたのです。
どうやら完全にらき☆すたのゲームにはまってしまったもよう。
それともあれだけやっても勝てなかったのが、よほどくやしかったのかしら?
とりあえず如月にDSを渡して、やり始めたのを見届けると私は眠りの世界へと旅立ちました。
ちなみに寝てる最中に如月が私を軽く起こして「ついに勝ったけどこのあとどうすればいい?」と聞きたらしいのですけど、私は「そのまま適当に進めといて」と言ってすぐにまた寝てしまったらしいです。
2時間ほどの睡眠から目覚めてから遅い昼飯を取って多少まったりしてた頃、私は明日の予定を確認するために高校の頃の友人Uに電話しました。
もし彼と友人Iに友人O、そして友人KS、明日はこの4人と一緒に行くか行かないかによって今日私が帰れるか帰らないかが決まるようなことになっていたのです。
なので一応前日までには連絡してくれとUには言っていたのですが、一切連絡がなかったので仕方なくこちらから電話をかけることにしたのです。
しかし…
プルルルル…プルルルル…プルルルル…プルルルル…(以下エンドレス
何十回コールを鳴らそうが一向に出る気配のないU
仕方なく私はIに連絡をとることに。
Iにはあっさりと電話が繋がったのですが、残念ながら明日の予定はまだ確定していないとのこと。
なので決まりしだい連絡してくれとの約束をとりつけて電話を切りました。
それから少々まったりしていた我々でしたが、さすがにいい時間になってきたので帰ることにしました。
*軽く寝たり、体を休めることができたため、SPmasterのHPが15回復します。
*SPmaster*
*HP:47/100*
やはりというか朝よりも道は混んでいて数時間前に来たときのようにすいすいと進んではくれませんでした。。
ですがもともとそれを見越した時間に出ているので特に気にせず、のんびりと進みました。
しかし途中で道を間違えて市街地に入ってしまい、思いっきり渋滞に巻き込まれてしまうといったハプニングが発生。
おかげで予定時刻よりだいぶ遅れながらもなんとかY家付近まで帰ってきました。
ちなみに私の明日の予定ですが、結局いつもどおり単独行動に決定しました。
なので私のアパートより会場に近いY家に泊めてもらうことに。
Y家付近についたときはすでにいい感じに夕食の時間となってました。
なので近くにある馬車道で夕食をとりました。
そして夕食を食べ終えた我々はそのままY家へ向かったのですが、その道中で私の携帯が鳴ったのです。
出てみると相手はIでした。
さきほど明日の予定は確認し終えたはずなのに何ようと思って話してみたのですが…
I「今どこにいるん?」
私「さいたま」
I「え? なんで?」
私「いや、友人宅に泊めてもらうことにしたから」
I「あ〜、それじゃ駄目か」
私「何が?」
I「いやね、彩がいるんだってさ」
私「は? いるってまさか…」
I「うん、会場にw」
彩っていうのはIやUと同じく高校の頃の友人なのですが、少なくとも自分から進んで参加するような奴ではなかったはず…
Iがいうには専門学校時代の友人達に拉致誘われたらしいとのこと。
なので会いに行ってみたらどうだ?と言われたのですが、さすがに時間が時間ですし今日はY家に泊まって体を休めたかったというのもあってやめときました。
でも電話だけはしてみることに。
しかし彩に電話するの久々だな〜
彩「もしもし」
私「よう、Iから聞いたぜw」
彩「ああ、拉致られたよ…」
このまま彼は徹夜組となるようです。
初参加でいきなり徹夜組か…
マジお疲れ様。
Y家に到着し、私とYを降ろして如月は帰っていきました。
その後私は明日の準備を軽く済ませてからYに布団を借りました。
んで明日は始発で会場に行くつもりだったので起きる時間を確認していたところ、Yが朝起こしてくれるとのことになりました。
しかし始発なので、もちろん早朝。大丈夫なのかと思って聞いてみると、ゲームやりながら起き続けてるから問題ないとのこと。
携帯の充電を忘れていて出来る限りバッテリーを使用したくないと思っていた私は、2つ返事で目覚ましをYにまかせて私は寝ることにしました。
そしてYはよつのはをやり始めました。
これは秩父に行く道中でたまたま話題に上がり、私と如月はすでにクリアしていたのですがYはやっていなかったため興味を覚えたようです。
まぁ面白い試みをやっているゲームですからね。
それにののタンという素晴らしきキャラもいることですしw
んでYがよつのはを進めるなか、私は眠りに落ちていきました。
「Are you ready?」(yeah!)
HeyHeyHeyHeyHey(HeyHeyHeyHeyHey)
HeyHeyHeyHeyHey(HeyHeyHeyHeyHey)
Hey(Hey)Hey(Hey)Hey(Hey)Hey(Hey)woh
あいつのこいつのあの本を
ただ一つねらっているんだよ
このコ○ケで一番の
大手の限定を
あーみんな同類さ(同類)
あー(文字通り)いのちがけだよ(ゴルァ)yeahyeahyeah
コ○ケの女神さまよ
ぼく以外の同類を
蹴散らしてよ
首を吊る気もしない気も
この時にかかっているんだよ
もし駄目ならこのぼくは
ひきこもっちまうよ
(EDテーマ:有明天国)
{原曲:学園天国}
・次回予告
むかつくほどに照りつける日差しをものともせず、己が目的を果たさんと集まる人々。
その軍勢に例年通り一人っきりで加わるSPmaster。
しかし彼はまだ知らなかった。
ある人物が、とある計画を立てていたことを…
第3話 「聖戦、そして…」