今年を振り返ろうリターンズ そのに

さて、今回はアニメ&特撮編Ⅰです。
アニメ&特撮編を3つに分けた理由は、色々とやってみたいことがあったからです。
今回の感想もそのひとつです。
てか、もはや今回のは感想ではないような気もしますが…


では、アニメ&特撮編Ⅰ、スタートです。




まずは伝説にその名を残したこのアニメ。




お姫様と…お姫様と…キャベツ?




アニメ版「夜明け前より瑠璃色な」、通称「けよりな」です。




このアニメの世間一般的な評価は最低レベルといったところでしょうか。
ですがみなさん。騙されてはいけません。
『「アニメ版けよりな」は最悪の出来栄えだった』
そう思わせることこそが、制作スタッフの狙いなのですから!




一から説明します。
おそらく制作スタッフは何か伝説に残ることがしたかったんだと思われます。
それはモノを作る側の人間なら誰もが抱く感情…
人々の心に残り続ける作品、いつまでも語り継がれる作品を作りたいという感情です。
しかしその目標を達成できるのはほんの一握りの者達のみ…
普通は、少しの間話題になるか、そもそも話題にならないかのどちらかです。


そこで彼等は思いついたのです。
だったら別のやり方で伝説となればいいのではないかと!


別のやり方、それは何も人々の心に残り続けている作品は傑作や名作ばかりではないということです。
そう、怪作や迷作も人々の心に残り続けているのです。
この考えにいきついた制作スタッフが見い出した目標…
それは伝説の迷作、ヤシガニを越える作品を作ることだったのです!




アニメ史上に残る最低作として未だに人々の心に残り続けているあのアニメを超える…
それは普通に考えたら容易な事ではありません。
しかし今回はまさにチャンスのときだったのです。
何故なら、最高峰のクオリティで一部では原作を越えたとさえいわれるアニメ版AIRを作った京アニのアニメ版kanonが同時期に放送されるという絶好の機会が訪れたからです。
どうしてこれが絶好の機会なのか?
それは最高峰のクオリティと比べられることにより、酷さを通常よりもさらに際立たせることが出来るからです!
あまりにも出来が良すぎる作品があると、通常なら普通くらいのレベルの作品でもレベルが低く見えてしまうという人間心理を巧みに利用した方法といえるでしょう。


そして制作スタッフは、色々考えた結果アニメにする題材に「けよりな」を選びました。
けよりな」が選ばれた理由は2つあります。
まず「けよりな」という作品は知名度があり、そのアニメが放送されるとなればかなりの数のヲタが見るということが予想できるからです。
ちなみにここで、知名度という点であの放送当時は無名だった究極のネタアニメであるガン道を越えていることを忘れてはなりません。


さらに「けよりな」はファンの多い作品。
そのアニメが直視に耐えられないような出来栄えだったとなればどうなるでしょう。
当然、ファンは失望するでしょう。
そして思い入れがある分、ほかの酷い作品よりも酷いと、これは最低のアニメだと勝手に思い込んでくれます。
これにより、作品の印象面であのヤシガニよりも酷いと思わせることができるということです。




もう分かりましたね?
つまりスタッフにとって「けよりな」はヤシガニを越える作品を作るうえで最高の条件を備えた作品だっだということです!




放送された内容について詳しくコメントする気はまったくありません。
制作スタッフの伝説に残る作品を作るという必死の頑張りにより生み出された酷すぎる作画、期待を悪い意味でしか裏切ってくれないシナリオ…
これらはみなさんの目で実際に確認してください。
今私に言える事はひとつだけです。
制作スタッフは、見事に自分達の目的を達成したと…










続いてはこのアニメにしましょう。




二つの世界の物語。




「おとぎ銃士 赤ずきん




このアニメ、これはまさに制作スタッフの、近年の少女向けアニメへの嘆きがつまった作品といえます。
近年の少女向けアニメは以前にあったようなほのぼのさがまったくなくなってしまってきています。
ドロドロの展開やプリキュアに代表されるような戦闘描写など、激しいシーンを入れるような傾向にあります。
このように変わりつつある少女向けアニメに、赤ずきんの制作スタッフは嘆いていました。
みんな本当の少女向けアニメというのを忘れつつあると。
本当の少女向けアニメというのは、ほのぼのとした展開がひたすら続くようなそんなアニメだったはずだと。


そんなときに舞い込んできた「おとぎ銃士 赤ずきん」というアニメを作るという話。
これはチャンスだと、制作スタッフは自分達の想いをこの作品に託すことにしました。


まずは作画です。
これはほのぼのと見えるように、キャラたちの見た目は可愛らしくというか幼くなっていて、ぶっちゃけどうみても14歳には見えませんが、これもほのぼのを追求した結果なのでしょう。


んでシナリオ、これは完璧でしょう。
毎回毎回本当に草太を護る気があるのかと疑いたくなるような三銃士。
活躍しようとすると動きを封じられたり、氷付けにされたりしちゃうヴァル。
相手の心が読めて、視聴者への説明代わりにもなってくれる草太。


実にほのぼのしています。
これも制作スタッフの思惑が成功してるといえるでしょう。


そして戦闘シーン。
本来なら制作スタッフ的には戦闘シーンなど描きたくはないのです。
何故なら、ほのぼのアニメには不必要な描写だからです。
それに仮に戦うことになっても、制作スタッフはジャンケンやかくれんぼ、おにごっこなど見てて微笑ましいもので決着をつけるつもりだったのでしょう。
ですが、その制作スタッフの願いは叶いませんでした。
おそらくこれは「今って戦闘描写入れると人気出るんでしょ。だったら入れようよ」といった感じの上からの命令でしょう。
まったく、なんとひどいことをしたものでしょうか。
せっかく制作スタッフがほのぼのアニメを復活させようとしたというのに!


しかし、制作スタッフも黙ってはいませんでした。
なんと彼らは戦闘中にほのぼの描写を入れることにより、ほのぼの戦闘というまったく新しい戦闘形式を作り上げたのです!
まずは赤ずきんの靴です。
あの靴は歩くたびにピコピコ鳴り、作品のほのぼの描写に一役買っているわけですが、これはもちろん戦闘中であろうとお構いなしに鳴り響きます。
するとどうでしょう。
真面目にやってたっぽい戦闘シーンが、赤ずきんが歩いてピコピコ鳴るだけでで緊迫感が木っ端微塵に砕け散ります。
まぁ元々このアニメの戦闘シーンに緊迫感なんて、カケラもありませんがw
さらに戦闘中だろうと敵と平気で和み系の会話をしたり、止め絵を多用して激しいバトルをしているように見えなくしたりと、戦闘中だろうがほのぼの見えるようにしています。
そして極めつけは、三銃士が自身のキャラソンを歌って敵を倒したあの回でしょう。
あの回はおそらく、今までずっと上の言うとおりに戦闘描写を入れ続けてきたので、上から「この回は君達の自由にやっていいよ」と言われたのでしょう。
なので制作スタッフは、ここぞとばかりに自身達の目指していたもの、現時点で描ける、ほのぼの戦闘の完成体を披露したのです!


そう、アレは制作スタッフの目指していたものを映像化しただけ。
決してキャラソン出すからその宣伝であのような戦闘にしたわけではありません!


以上により、一番問題があると思われていた戦闘シーンですらほのぼの描写に成功しています。
つまり、制作スタッフの目指していた通り、あらゆる意味でほのぼの演出が成功している作品。
それがこの「おとぎ銃士 赤ずきん」なのです。




みなさんもこのアニメを見るときは、ぜひほのぼの演出を極めようとしている制作スタッフの頑張りを感じ取りながら観てください。












最後は、今年のライダーであるこの特撮。




天の道をいき、総てを司る




そう、「仮面ライダーカブト」です。




この作品は、私が前々から疑問に思っていた平成ライダーの謎を2つも解き明かしてくれました。


1つ目の謎。
それは、何故平成ライダーでは銃使いライダーが常にひどい扱いを受けているのかということです。
銃使い。
それは銃による遠距離戦はもとより、立ち回りや見せ方によっては接近戦でも熱い戦いぶりを見せてくれる人達です。
しかしこれが平成ライダーになると、ザコだわ役ただずだわ足手まといだわヘタレだわ空気だわと悲しいほどの不遇っぷりなのです。
まぁ響鬼前期の威吹鬼のように例外も一部いますが、ほぼすべてがロクな扱いを受けていません。
何故銃使いライダーの扱いはひどいのか?
その答えはカブトにありました。
正確には仮面ライダーカブトでの銃使いライダーである仮面ライダードレイクです。
彼の扱いは初めから最低ラインを軽く突破していました。
本来なら誰であろうと活躍できるはずの初登場の回ですでに『敵にボコられる』『カブトに助けてもらう』『敵殲滅後、カブトに逆ギレして殴りかかる』素晴らしいがまでのダメキャラ扱い。
おまけにその次の回では『カブトに殴りかかったものの、逆にボコられる』『そこを行動を共にしている幼女に助けられる』と圧倒的なまでのヘタレっぷりを披露してくれます。
その後も「必殺技をカブトに蹴り返される」「ワームを必殺技の一撃で倒せない」「何週か出なかった後、かっこよく助太刀に現れたのにあっさりボコられる」ともう見ている方が気の毒になってくるほどの扱いのひどさです。
今までの銃使いライダーも確かにひどい扱いを受けてきましたが、ドレイクは群を抜いています。脚本家は銃にうらみでもあるのか?
さすがにここまでくると笑って流せないということで、私は「何故銃使いライダーの扱いはひどいのか?」について真面目に考えることにしました。


ひとつ、仮面ライダーはあくまで子供向け番組であるということ。
仮面ライダーはさまざまな年代の人が見てきましたが、本来の年齢層はお子様達です。
それは毎年放送される仮面ライダーにはそれぞれに伝えるべきテーマがあり、それは主に子供達に向けられていると思われるからです。
ふたつ、銃というものはたいへん危険な武器であるということ。
色々考え方はあるでしょうが、銃は誰であろうと人をあっさりと殺せる危険なものであります。
また銃は撃った側には相手を殺したという手応えがないため、罪悪感が生まれにくいという特性も持ち合わせてしまっています。
みっつ、銃犯罪が増加しているということ。
近年では外国はもとより、日本国内ですら銃を使った犯罪というのが増加傾向にあります。
銃を用いた殺人も後を絶ちません。




これらから導き出される答え、それはこういうことです。
つまり平成ライダーは銃使いライダーをとおして、子供達に銃を使ってはいけないというメッセージを送り続けていたのです!




みなさんも子供の頃に経験があると思いますが、子供というのはヒーローに憧れるものです。
かっこいいヒーローに憧れてごっこ遊びなどをしたことある人もいることでしょう。
しかし、その憧れるべき対象のヒーローがどうしようもないまでにかっこ悪かったり、情けなかったり、ヘタレだったりした場合はどうでしょうか?
間違いなく、大多数の子供達は憧れたりしませんよね。
むしろ嫌悪感を抱く子供もいるかもしれません。
これこそが制作サイドの狙いだったのです!


制作サイドは銃使いライダーを貶めることにより、「ほ〜ら、銃を使うとこんなかっこ悪い人になっちゃうんだよ〜」というメッセージを子供達に送り、銃に対する興味を子供達からなくさせようとしたのです。
そう考えれば、銃使いライダーがヘタレなことにも納得がいきます。
そのため、アギト以降登場する銃使いライダーは総じてヘタレなのです。
しかしただ1人、例外が存在します。
それが響鬼前期の威吹鬼です。
彼はストーリー中、決してヘタレることなく、たとえ敵に苦戦して響鬼に助けられようとも、最後はしっかりと自分の手でケリをつける、かっこいいヒーローであり続けました。
そんな威吹鬼の姿にヘタレ銃使いライダーに飽きていた大きいお友達のみなさんは食いつき、彼に最後までかっこいいヒーローであってくれと願いました。なのに…なのに…
ですが、今までのシリーズを手がけてきたスタッフは、この響鬼制作スタッフの暴挙に困惑します。
何故銃使いライダーをかっこいいヒーロ−にしてしまうのか?
それでは子供達が銃に憧れをいだいてしまうではないかと。
自分達のしてきたことが無意味になってしまうと焦りました。
しかし、響鬼は子供人気が出なかったため、制作スタッフの変更が起こるという異例の事態になり、30話以降を今までのシリーズを手がけてきたスタッフが制作することになりました。
これ幸いとばかりに、彼らはさっそ威吹鬼のヘタレ化を始めました。
その結果、威吹鬼は活躍できなくなるわ、空気になるわ、うぬぼれキャラになるわ、しまいには弟子に見限られてるわ、と一気にひどい扱いを受け、無事にヘタレライダーの仲間入りを果たしました。ある意味響鬼前期スタッフへの冒涜ですよね、これ。


このように銃使いライダーがヘタレでしかない理由は、あくまでも子供達のためという制作サイドの熱い想いだったのです。決して主人公をかっこよくみせるためのかませ犬が必要だからとかいう低俗な理由ではなく








2つ目の謎。
それは何故平成ライダーは武器があるのに殴り合いを好むのかということです。
基本的に平成ライダーは武器を所持していますが、何故か皆さんあまり使おうとせず殴り合いを行うのです。
明らかに武器を使った方が手早く倒せるだろうという場面ですら、無駄に素手での殴りあいを行いますこの演出に何度冷めたことか…
カブトでは銃使いであるドレイクが銃をほおり捨ててわざわざ敵に接近して殴り合いを行ったり、1km圏内のあらゆる物質を高温と超高圧で消滅させる(公式HPより)ガタックバルカンを持つガタックがそれを使わずにわざわざ大量の敵の中に特攻して殴り合いをしたりしています。
このような場面を見て、おそらく視聴者の大半がつっこんだはずです。
お前ら、武器使えと!
そのくせ、見せ場などではいつの間にか持っている武器(数秒前までは何も持ってなかった)を使ってかっこよく敵を倒したりします。どう見ても違和感ありまくりです。本当に(ry


なんで武器があるのにわざわざ殴り合いばかりを行うのか?
これにも当然のごとく、制作サイドの子供達のための想いゆえの結果なのです。




みなさんもニュースなどで見たことがあると思います。
子供の暴力事件を。
別にこれは昔からあったことなのですが、近年ではそれにナイフなどの武器が加わってくるのです。
一応十年ほど前に法律で、18歳未満はナイフを購入できなくなりましたが、それでもカッターナイフなどを用いた子供による事件は後をたちません。
それに近年では、子供が友達と喧嘩するときにカッターナイフなどを持ち出すようになってしまいました。
一昔前までは喧嘩といえば、素手での殴り合いが基本だったというのに…
この事態を重く見た制作サイドは、ヒーローをとおして子供達に「もし友達と喧嘩することになっても、武器は危ないから使っちゃ駄目」ということを伝えようとしているのです。


私は友達と喧嘩することは、別に悪いことではないと思います。
喧嘩して本音をぶつけ合って生まれる友情というものあるのですから。
まぁ喧嘩していいってのは、ちゃんと相手に喧嘩してまで伝えたかったことを伝えられて相手も納得してくれて、ちゃんと仲直りできたらの話ですがw
でも武器を持ち出してくると、穏やかにはいきません。
その友達と永遠に仲直りできなくなったり、最悪の場合その友達と一生会えなくなる可能性だってあるのです。
だから平成ライダーはどんな状況であろうと武器を極力使わずに殴り合いばかりを行うのです!
おそらく制作サイドが本当にやりたいことは、すべてのライダーが素手による殴り合いをする戦いです!
カブトでいえば、ドレイクがキャストオフしたら銃をほおり捨てて殴り合いを行い、剣使いであるサソードでさえキャストオフしたら剣をほおり捨てて殴り合いをする、そんな世界を描きたかったに違いありません。そうじゃないと作中でドレイクが銃をほおり捨てて接近して殴り合いをしてた理由が説明できないし。
ですが、仮面ライダーは所詮商業作品。作るにあたってはスポンサーというのが必要になります。
仮面ライダーのスポンサーには某大手おもちゃ会社がいます。まぁドコとはいいませんが…
仮にこのスポンサーがおもちゃを売るために、「戦闘中にガンガン武器使って宣伝して」と言ったとします。
すると制作サイドは逆らえずにしかたなく作中で武器を使わせることになります。
なんせ天下のスポンサー様のご意見ですから。逆らえばどうなることか彼らは悲しいことに理解してしまっています。
つまりこういうことが平成ライダー内で起こってしまっているのです。
そのため制作サイドは、子供達のために本来ならヒーローに武器なんて使わせたくないはずなのに、スポンサーの言われるがままに武器を使ってしまっているのです!
ああ、悲しいかな商業作品。
ですが、普段は殴り合い重視で見せ場しか武器を使わないというのは、おそらく制作サイド最後の意地です。
そこだけは譲れない、子供達のために譲れない、という制作スタッフの熱い想いでしょうね。






以上が私が仮面ライダーカブトを見て、解き明かした平成ライダーの謎です。
もし同じように謎を抱いていた人がいて、この感想を読んで謎が解けたという人がいたら、これを書いたかいがあるというものです。
さて、カブトもいよいよ終盤。最後に話をどうまとめるか、とりあえずまったく熱くなれない戦闘シーン以外に期待してみることにします。










さて、アニメ&特撮編Ⅰはこんなところです。
では、次回はアニメ&特撮編Ⅱをお送りします。






次回はちゃんと感想を書きます。