木崎湖再逢 第1話

8/13
4:30。
前日のうちに準備しておいた荷物をトランクに詰め込んだ私は、さっそく早坂家に向けて車を走らせました。
いや〜、さすがに何度も旅にでているためか、すっかり準備も手馴れたものです。
去年などはGWに死活問題な忘れ物をしたこともありましたが、あれ以来確認を入念に行っているので旅の準備は順調そのものです。
普通あんなもの忘れないだろとかいうツッコミは却下の方向でw







木崎湖再逢






第1話 「高尾山と迷えるカーナビ」












そのまま順調に走り続けること約2時間。
早坂家に到着しました。


すいません。怖いくらい順調なのですが。


どうした?
いつもだったら早坂家に着くまでに絶対に何かあるというのに…
なんだか今回の旅は、初めてとなるネタ無しの普通の旅になるのではという期待がしてきました。
ネタなしの旅が初めてってのは、深く考えなくてもおかしいですが、まぁ今までが今まででしたからね。
でも今回は、今回はきっと…という淡い期待が増してきました。


まぁそんな期待はあっさりと打ち砕かれるわけですがね。


そして早坂家で我がファミリアにちょっとしたネタを仕込むも、うまくいかなかったため断念していつも通りの姿のまま出発しました。
もちろん運転席には早坂、助手席に私という定番のポジション。
いや〜、楽でいいねw(ちょwww 持ち主www




早坂家を出てすぐに早坂がWAWAWAわすれもの〜をしたことに気付きました。
おまけに靴を履いてきたつもりがサンダルだったりと、今日はなんだか珍しいことに早坂が駄目駄目。
ですがとりあえず早坂家に戻る前に給油しておこうということになり、早坂行きつけのガソリンスタンドに寄りました。
1年前と比べるとひどいくらいに値上がりしたガソリンを給油して、そのまま早坂家に戻る我々。
んで早坂家に戻る道すがら今日の早坂のぬけっぷりについて話したのですが、本人曰く忘れ物は結構あるとのこと。
早坂って我々のメンツの中では割としっかりしてるイメージがあったので、これはちょいと意外でした。
てか、私がしっかりしてなさすぎるだけか…
いつも苦労かけてサーセンw
そんなこんなで、結局早坂家にいったん戻って再び出発した頃には、時計の針は7:30を指していました。。




道は去年の同じ時期に行ったときと同じ甲州街道をひた走るルートなので、特に迷うこともありません。
おまけに去年は夜中でしたが、今年は午前中どころかまだ朝と言っていい時刻なので、周りの風景を見ながら走っていくことができました。
これは都内の街中を走ってるとさほど意味はないですが、自然がふえてくるのしたがって明るさが意味を持ってきたのです。


そう、明るいおかげで景色を楽しめるの。


ルートとしては高尾山を通っていくことになるわけですが実は私、高尾山って来たことなかったんですよ。
一応去年木崎湖行くときに通りましたが、それ以外では来たことありません。
実家やアパートから距離もそれなりにありますし、おまけにこれといって行く用事も今までなかったためです。。
なので朝の高尾山は初めてとなります。
そして意外と景色を楽しみながら走れることにビックリです。
いい感じに自然が多くて、ドライブで訪れるのも一興と思えます。
ただこれから目的地に近付くにつれて今よりもどんどんと自然が多くなっていくので、このあたりはまだ街中といれるレベルなんですけどね。


そんな感じに高尾山を走り続けた我々は、東京都を抜けて神奈川県へと入りました。
そして相模湖手前で渋滞にはまってしまいました。
ただここは早坂いわく、常に渋滞してるのがあたり前の道とのこと。
去年は夜中に行ったので渋滞は一切関係ありませんでしたが、今年はまだ9:00。
そりゃ渋滞もしてるってもんです。
なのでまったりしながら渋滞を抜けるのを待つことにしました。


そんな渋滞の中、我々が適当にまったりしてたところ、帰省している如月から電話が。
如月は実家でやることなくて暇だ〜と愚痴ってくれましたが、こっちも渋滞で暇だ〜とお返し。
お互い、休日を有意義に過ごせていません。
あ、でも私と早坂は目的地に向かっている最中なので、有意義に過ごしてると言えますね。
そしてそのまま如月と適当にだいたい30分ほど電話し続けましたが、それでも渋滞を抜けることができず、結局渋滞を抜けたのは渋滞にはまってから1時間以上たってからでした。




渋滞を抜けた後は、山道とのどかな田舎風景を楽しみながら進んでいく我々。
しかしそんなのどかな風景が、とある事情により前日徹夜していた私を眠りの世界へといい感じに引きずりこもうとしてくれます。
あながう気になればあながえないこともなかったのですが、実際のところ別に無理して起き続けている必要もありません。
そんなわけで早坂家を出発してから運転をまかせっきりな早坂には悪いですが、軽く仮眠を取らせてもらうことにしました。
助手席の椅子を倒して横になると、今まで我慢してた分の睡魔が全力でフルオープンアタックを仕掛けてきたため、眠気で装甲低下していた私は睡魔の攻撃にあっさりと陥落して眠りの世界へと旅立っていきました。










目が覚めたら、そこはすでに湖だった。


周りには緑色に染まっている山が聳え立ち、その山の麓にはまるで底が透けて見えるかのように綺麗な湖が…


あれ?
なんかデジャブがw




眠りから覚めた私が見たのは、寝る前に見ていた山道とはまったく違った街中でした。
どうやら私は40分ほど寝ていたらしく、車はすでに木崎湖までの中間地点である甲府市内に入ったもようです。
そして時刻はちょうどお昼時。
なのでせっかく街中にいることだしと、このまま甲府市内で昼を食べていこうということになりました。


さて、いざ飯を食うとなっても我々は何度もここに来たことがあるわけではないので、飯屋がどこにあるかなんぞ知りません。
まぁ一応走ってる道が広いので、ちょこちょこ見つかったりするのですが。
なのでこのまま食べたいと思えるメニューが置いてある店が出てくるまで走り続けてもいいのですが、その方法は例えば「ラーメンが食べたい」と思ってラーメン屋が見つかるまで走り続けようとした場合、いつまでもラーメン屋が見つからず、気付けば町を抜けてしまい再び何もない山道へという危険性もあるのです。
こうなると、後悔役に立たず先に立たずということであきらめて目的地を目指して走り続けるしかありません。


ですが、今回の旅にはこのような危険性を回避する便利道具があります。
それは早坂の持ってきたPSPナビ。
これはPSPをカーナビとして使用できるソフトで、対DS用といえるシロモノです。
カーナビには飯屋を検索する機能があるので、飯屋を発見できずに走り続けるという事態を避けることができるのですよ、奥さん。
なので、我々はさっそくカーナビで行きたい店を探し出して、ナビの指示にしたがって進むことにしました。
目指すはびっくりドンキ。
カーナビには、今走ってる大通りからそれて小道に入ったところにあると表示されております。
というわけでびっくりドンキの場所を目的地に設定して、その場所に向けて車を走らせる早坂。
いや〜、こういうときカーナビって便利ですね。
普段使用することがなく、私はもし道に迷っても地図があればなんとかできてしまう人間なので、カーナビの利便性に気付きにくいのですが、なるほど、こういう状況で真価を発揮するのだなと妙に感心させられました。、


そんなこんなで車を走らせること数分。
順調に目的地に到着。
さ〜て、びっくりドンキでハンバーグでも平らげますか〜






って、ドンキどこー!?






なんか普通のビルが建ってるだけなのですが、これは画期的な新装開店を行った結果とかでございましょうか?
さすがに戸惑う私と早坂。
最初は途中で道を間違えたかとも思いましたが、この場所までは大通りから曲がったらほぼ1本道なので間違える方が難しい。
おいおい、いくら店名にびっくりって名がついてるからといって、こんなびっくりはいらんのだよ。
そのまましばらく辺りを走ってみましたら、影も形も見あたらねぇでやんの。


これはあれですかね?
最近潰れましたか?
それともカーナビが異常なんですか?
そんなわけでいくら周囲を捜索しても見つからないので、我々はびっくりドンキはあきらめて捜索中にたまたま見つけたラーメン屋に入ることにしました。
ちなみにこの店のラーメンを食べた感想ですが…




うっ!? これは…普通だ―――!!!
決してうまくもなく だからといってマズクもない…まさに普通!
濃厚なようなサッパリなような中途半端なスープ!
さらにこの太麺のような細麺のようなどっちつかずの麺!
この2つが織り成す絶妙とは言い難いまずまずのハーモニーを奏でている!




てな感じでした。元ネタわかる人いるかしら?
まぁ腹は膨れたので良しとします。
んで飯を食べ終わったということで、我々は再び木崎湖へ向けて車を走らせ始めました。
ちなみにこのときの時刻は、ちょうど13:00でした。




そして先ほどの謎の消えたびっくりドンキですが、この後で謎はあっさりと解決しました。
それは大通りに戻ってすぐのことでした。
なんか右側に見えたんですよ。
見覚えのある看板が。
そう、カーナビの示していた場所とまったく違うところにありやがんの。
これはどっちなんですかね?
つい最近店舗移動したのか、それとも純粋にカーナビが間違えたのか…
今となってはどっちなのかわかりませんが、実はここで昼飯をハンバークにしなかったことが、正解だったと後々判明します。
まさに怪我の功名というやつでした。






そしてラーメン屋を出てから約4時間後、いよいよ我々は関西組の待つ、今回の旅の舞台となる木崎湖に到着したのであった。












・次回予告
木崎湖にて関西組と合流する私と早坂。
そして関西組から、明日あるイベントが行われることを聞かされるのだった…






第2話 「○○○1泊」