間違っているのは……

ブルマフィーバー!
スクミズフィーバー!
セーラーフクフィーバー!








どうも、SPmaster紅です。




>きさら かな
2008/09/01 20:40
椎菜は原作でもアキバで遭遇していたと思いましたが?
三巻あたりで。






SPmasterがこのコメントを初めて見たときにとったリアクションは嘲笑だった。
彼は何度となく原作を読み返しており、自分の記憶に間違いはないという絶対の自信があった。
なので自分の記憶にない出来事についてコメントしてる如月が、おかしくてしょうがなかった。
まさか自分よりラノベ購読歴が長く、細かなことまでよく覚えていると感心することの多い如月が、よもやこのような思い違いをするとは。
自分の知識があの如月を上回っている、そのことにSPmasterは言いようのない優越感を抱いたのだった。


そのまま何分が過ぎただろうか。
嘲笑が落ち着いた頃、頭が少し冷静になったSPmasterはふとあることを思い出した。
今までの彼の経験上、このように他人と意見が分かれた場合、ほとんどにおいて自分の思い違いであったということに。
最近ようやく自覚するようになったみたいなのだが、どうも彼は物事を事細かに覚えるのが苦手で常におおざっぱに物事の断片を覚えることしかしていない。
そのため相手が内容を事細かに覚えている場合、今回のように意見のすれ違いが起こりそのほぼすべてにおいてSPmasterの思い違いであるという結論になる。
なのでまさか今回も…とSPmasterが思ってしまったことはある意味仕方がないことであろう。
だが今回ばかりは少し状況が違った。
何よりも何度読み返して内容をほぼ覚えているという絶対の自信、それが彼にはあったのだ。
断片的ではない、正確な記憶が。
しかし悲しいかな、今まで何度も自分の記憶が思い違いであった苦い記憶が、彼の絶対の自信にひびを入れていた。


何をやっても常に常人以下、たまに常人を上回ることがあるが他人にそのことをやらせると彼がそのレベルに達するのに要した時間の半分以下で同じレベルに達する。
何をやってもうまくいかない。
他人が普通にできることが何故か自分にはできない。
どんなに努力してもそれが決して実を結ばない。
これが今まで彼=SPmasterが体験してきた現実であった。
小さな頃はそれでも必死になって努力していた。
いつか他人を追い抜き、誰もたどりつけないレベルにまでなってやる。
そんな幻想を抱いていた。
しかし現実というものは、結果という絶対的なもので彼の儚い幻想を木っ端微塵に打ち砕いた。
そんな日々をすごしてきたからかだろうか。
いつしか彼は、もし誰にでも必ずなんらかの才能があるとしたら自分に与えられたのは「なにをやらせても常人以下」というある意味器用といえる才能であったというひねくれた結論に達してしまったのだ。
そのころから、彼はすっかり努力するということをやめてしまった。
むしろ何事も頑張らずに楽な方へと逃げることを覚えてしまったと言った方が正解なのかもしれない。
「結果がすべてではない。大切なのはそこまでの過程、努力したという事実である」という言葉もあるのだが、彼に言わせれば結果の伴わない努力になんの意味があるということだった。
おまけに
「じゃあ、「霊感詐欺商法の販売員が必死になってただの安物の壷を除霊効果のあるありがたい壷と偽って騙されやすい馬鹿正直な人に売ろうとしたが、半年たっても一人にも売ることができなかったと上司に報告した」とする。さてこの場合上司はこの販売員のことをほめてくれるのか? そんなことはありえないよな。つまりはそういうことだ。」
とどう考えてもおかしな屁理屈で自分が努力しないことを正当化しようとする始末だった。


そのころからであったろうか。
彼が漫画やゲーム、小説といった空想の世界にどっぷりとはまっていくようになったのは。
空想の登場人物達は才能にあふれ努力が実り、またこれといった特徴がなくても何故か慕われる。
いつしか彼は、そんなご都合主義全開なキャラ達に憧れ、そして感情移入することによって自分の惨めさを慰めるようになっていた。
そのため主人公の声だけがないフルボイスのゲームなどは、まさに彼にうってつけと言えた。
そうやってはまっていくうちに彼の中に今までにないある欲求が芽生え始めた。
彼がはまっているのは所詮他人が作った作品。
そのため内容への不満がでてくるのだ。
自分だったらこうする。
ここはこうした方が絶対面白い。
などなど、例を挙げればきりがないほどだった。


そうやって不満を抱き続けていたある日、彼はその解決法を思い付いた。
「だったら自分の手で不満のない物語を書けばいいんじゃん。」
その日から彼は自分で考えた物語を書き始めることになる。
最初のうちは、自分の触れた物語に対する不満や納得のいかないシーンを自分の手で書き直した「SS」や「二次創作」と呼ばれるものばかりを作っていたが、そのうち一から自分の手で物語を作り上げる「一次創作」へとシフトしていった。


そうしていくつの物語が出来上がった頃だろうか、今度は彼の中に今まで作った物語を自分で楽しむだけでなく誰かに見てもらいたい、誰かに読んでほしいという欲求が生まれ始めた。
努力することをやめてしまって以来、自己主張することもやめてしまった彼にとってそれは実に久々の感覚だった。
しかしそれは思うだけで、なかなか実行に移せない彼がいた。
誰かに見てもらいたいという気持ちがありながらも実行に移せない理由、それは他人に見せることによって自分の作った物語をけなされあざ笑われるかもしれないという実にくだらないものであった。
実際そんなことで立ち止まるのもどうかと思うが、彼にとって物語を書くということは単なる自己主張のアイテムに終わらず、いつの間にかこれが自分の才能だと思うようになっていたのだ。
すっかりあきらめていた才能、それが物語を書くということなのかもしれない、そう思い込んでいる彼にとって自分の物語を否定されることは、自分にはなんの才能もないということをあらためて思い知らされることとなってしまうということである。
せっかく取り戻し始めていた自信を失うかもしれないという可能性に、すっかり彼は萎縮してしまったのだ。
そんな感じにヘタレてしまっている彼ではあったが、それでも何故か他人に物語を見せたいという欲求だけは気持ちが萎縮しているのにもかかわらず、まったく消えてくれなかった。
他人に物語を見せたいという欲求と誰かに否定されるかもしれないという恐怖心。
相反する2つの気持ちの板ばさみにあい、彼はそれからしばらく悩み続ける日々をすごす事となってしまうのであった。


そして悩み続けるストレスを発散するために暴食したことによりズボンのウエストサイズが一つ上がった頃、彼はようやく折衷案を思いつくことができた。
「まずはブログという形で自分の文章を公開して、そのうち少しずつ時間をかけて自分の作品を公開する方向に持っていけばいいんだ!」
最初はブログを書くことによってブログの読者を彼の文章を好きだという人の割合が多くなるようにして、ある頃を見計らって作品を公開する。
そうすれば例え作品を否定する人が現れようとも、それ以上に擁護してくれる人があらわれてくれるはずである。
そしていつしか彼の作品は面白い、こんな話が書けるなんて凄いと言ってくれる人ばかりのブログになるであろう。
そうなれば物語を書くという自分の才能を公に証明することができる。
もちろんブログに書く内容も他人に間違いを指摘されて自分のプライドを傷つけることのないよう、常に自分の知識に自信のある内容だけにしぼるつもりであった。
そうすれば他人から尊敬されることはあってもさけずまれることはありえないはずである。
それは自分の意見が絶対的に正しいということの証明でもあるということだ。


これらのことが彼が「ブログを書く」という結論に達した理由だった。
ただ自分の納得いく結末にしたいという理由で作り始めた物語が、いつしか自分にとって都合のいい世界を作るための道具に成り果ててしまっていることにも気付かずに彼はブログを始めたのだった。




そうやって今日まで続けてきたブログ。
いまだに自分の作品を公開するまでには至ってないが、それでも感想などオリジナルのものを公開できるまでになってきた。
彼にとって感想は、自分の才能を手軽に世間に披露できる便利なものだった。
そうして自分の満足いく感想を書き続けてようやく取り戻した自信。
絶対に揺るがないはずのそれが今、如月の一言で海辺に作った砂の城のごとく、いとも簡単に崩れ去ろうとしていた。
そんな状況の中、彼はごくあたり前のことを思いついた。
だったら実際に確認してみればいいのだと。
そうすれば自分が正しいということが証明できる。
滑稽な見得を張るためだけの絶対の自信が絶対のままであり続けられる。
そう思いながら彼は慣れた手つきで本棚から「乃木坂春香の秘密」の第3巻を取り出した。
何度となく見慣れた表紙を目にして、そのまま本を開いた。
するとまず目に入ってきたのはひどく読み慣れた文章だった。
それは発売日当日に買ったときから何も変わってはいない。
しかしページ自体は端の方が変色しており、このラノベの所有年数を静かに、だが確実に物語っていた。
そのことに少し感傷的な気分になりながらもページをめくっていく。
第3巻の内容で秋葉原に行った話といえば、裕人と美夏が春香の誕生日プレゼントを買いに訪れる話しかない。
そのページに辿り着くと、彼はさっそくそこからいつもより素早いペースで読み始めた。
本来なら普通に読み進めても椎菜がでているかどうかは確認できるのだが、今の彼は普通に読み進められる気分ではなった。
むしろ早くこの話を何事もなく読み終えて、自分の感想は間違っていない、自分はこのブログの中では絶対に正しいということを証明したかったのだ。
そうして何十ページ読み進めたであろうか、ふとあるページで彼のページをめくる手が停止した。
そこにはこう書かれていた。




注)ここから数行にわたって原作の文章をそのまま載せます。たぶん問題はないと思いますが、もし問題があるとなりましたら即行で削除しますのであしからず。


「あー、やっぱり裕人だ。どうしてこんなところにいるわけ?」
椎菜がびっくりしたような顔で言った。
「どうしてってな……」
それはこっちが聞きたい。
「椎菜こそ……何でここに?」
「あたしは生活用品を買い出しに来てたのよ。冷蔵庫とか洗濯機とか。まだ荷物が届いてなくて色々と不便だから。ほら、アキハバラはそういうモノが豊富だし」
引用終了




そこには彼の記憶には存在していない、秋葉原で裕人と美夏が椎菜と会っているシーンが書かれていたのだ。
ありえない、こんなことはありえない、間違っていると必死に否定しようとする彼ではあったが、何が正しいのかは原作の文章が明確に告げている。
そう、間違っているのは如月ではない、SPmasterが自信満々に書いた感想であったのだ。
この事実を認識した途端、彼の中で築き上げてきた自信が、自分が絶対に正しいという事実が、もろくも崩れ去ってしまった。
そして砕け散った後に残ったものは、間違ってはいけない自分が間違ったという事実だけであった。
しかしその事実は彼にとって絶対にあってはならないことであった。
何故ならこのブログは彼の意見は正しいということを証明してくれるものでなければならなかったからだ。
むしろそのために作ったのだ。
なのに今はそのブログが彼を間違っていると証明してしまっている。
もちろんその事実を彼が受け入れられるわけがなかった。
せっかく取り戻すことができた自信。
せっかく証明でき始めていた自分の才能。
せっかく手に入れることができた名声。
今回の結果を受け入れるということは、それらを手放すことに他ならない。
手に入れたものの味を知ってしまった彼に、そんなことは出来るわけがなかった。
だったらどうすればいいのか。
答えは簡単である。
あのコメントをなかったことにすればいいのだ。
その後自分の感想を書き直せばいい。
そうすれば自分が間違っていないことが証明できる。
自分はこのブログにおいて常に正しい存在でいられる。
おそらくこのブログを見ている何人からか、書き換えたのか等の質問がくるかもしれないが、そのときはしらばっくれればいいだけだ。
どのみちその頃には書き直した内容に変わっていて、自分が間違っていたという証拠など残ってはいないのだから。
誰がどう見ても咲いての考え方だかそんなことに今の彼が気付くはずもなく、彼はさっそくコメントの削除ボタンを何のためらいもなく押した。










あ〜、なんか無駄に疲れた…
もう二度とやらないぞ、こんなこと。


ちなみに上記の文章は私が前回の感想で思い違いをしていたというとこ以外はフィクションです。
一応SPmasterの名前を使ってはいますが、私はさすがにここまで最低な考え方はしてませんから…
またなんでこんなものを書いたかというと、ふと思いついたというのもありますが、私が小説のような文章を書いたらどうなるのかを一部の人に伝えておこうかと思いまして。
結局小説というよりはなんか報告書みたいな文面になってしまいましたがね。
まぁこれは思い付くままにでだらだらと書いただけの文章ですが、一応私が書けるのはこんなもんですということで。
あ、ちなみにあくまで思い付きをだらだら書いただけで推敲等は一切してないので、細かなツッコミ等は却下の方向でお願いします。
あと後半えらく適当なのは、ぶっちゃけ書くのに飽きたからです。(ぶっちゃけすぎだ






はい、ということで前回の私の感想には大きな思い違いがありました。
ぶっちゃけ完全にあのシーンを忘れてました…
いや〜お恥ずかしい限りです。
まぁ書いちゃったものを今更修正する気も更々ないので、戒めの意味もかねて感想はあのままにしておきます。
しかし、なんで忘れてたんだろう…
何度も読み返してるのに、あのシーンだけすっぽりと抜け落ちてました。
あ〜あ、なんか私もまだまだですね。
ぶっちゃけアニメ全話の感想を書き上げたらHSmaster(Haruka Nogizaka's master)の称号でも名乗ろうかと思ってましたが、とてもじゃないけどそんなことは出来ませんね。
むしろHSbeginnerがお似合いですね、今の私には。
ちくしょ〜。
こうなったら今後2度とこんなことがなきよう、今日からアニメ終了まで毎晩のぎーさん読書を行ってやる。
ノルマは1日1巻や!
まぁ睡眠時間を削ればなんとかなるはず…
そしていずれはmasterクラスになってやる!




あ〜、しかし、マジでヘコむ…




すみませんがこの駄文に時間の使いすぎてしまったので、のぎーさん感想は明日となります。
楽しみにしてる方がもしいらっしゃいましたら、申し訳ありませんでした。
まぁどうせいないだろうな。