電撃ムービーフェスティバル 感想

去る4/22。
Yと共に観てきましたよ、電撃ムービーフェスティバルを。
ちなみに観る前のそれぞれの期待度は


いぬかみ>>キノ>>>>>シャナ


といったところでした。


いぬかみは原作は読んでますがアニメ版は見たことがありませんでした。
ただ、その原作を越えようかと思われるほどのはじけっぷりは知っていましたので、これは劇場版でもそのはじっけぷりが期待できると予想していたので、私的には最も楽しみにしていました。


キノは原作&アニメともに手をつけていませんでしたが、原作の評価はいわずもがな、アニメもそこまで低いというわけではなかったのでまぁ問題ないかと。


そして今回の映画ではメインとして扱われているシャナ。
でも私的な期待度は底辺。
だってあのアニメ版と同じスタッフじゃないですか…
一体何に期待しろと(ぉ








注:ここから先の文章にはネタバレが含まれています。なのでわずかなネタバレでも見たくない人は、ほかのタイトルに飛んでください。


























































































では上映された順に感想を述べていきます。




まずは今後上映される映画の予告。
なんでこんなものをここで書くのかというと、その予告の中に「劇場版仮面ライダー電王」と「劇場版CLANNAD」の予告が流れたからです。
しかし電王は劇場版の宣伝をしたはいいですが、そのとき流れた映像はTV版1話と2話を予告っぽく編集しただけと、まったくやる気が感じられませんでした。
もしかしたら劇場版の映像を見れるかと思ったのに…
劇場版CLANNADは、なぁ・・・
劇場版AIRと同じ監督ってのが、すげぇひっかかる。
また原作一切無視な映画を作る気なんですかねぇ。
てか劇場版のキャッチコピーのような台詞を見る限りでは、その可能性が高いとです。
とりあえず観には行く予定ですが…






映画の予告が終わり、いよいよ始まるかと思ったら、その前にちょっとしたものが始まりました。
それは今回上映される3作品のメインキャラ達がちびキャラとなって競演するというモノでした。
とりあえず「スペシャル・オープニングアニメ」らしいです。
内容としては「それぞれのキャラ達が映画館に行って映画を見始めるまで」となってました。


全体的にギャグとなっていましたが、中でも素晴らしかったのがキノコンビ。
彼等的にはいつも通りの行動をしているだけなのですが、それが現代に近い世界観の中で描かれるとシュールだことシュールだことw
ファンタジー世界のキャラ達がリアル世界でいつも通りの行動をするとシュールすぎて笑えるをしっかりとやってらっしゃいました。
キノコンビと女性店員の会話はマジで最高でした。
次点はシャナメンバーというかアラストール
お前わざとやってんだろといわんばかりの「映画館の説明」は素晴らしかった…
あれは間違いなくしゃなたんモードのアラストールさんでした。
あとは、まぁ・・・




そんなこんなで前座が終わり、いよいよ本編が始まりました。
















-灼眼のシャナ-



トップバッターはいきなり今回の3作品の中ではメインとして扱われているシャナ。
上映時間も一番長かったです。
正直私にはあのTVアニメ版で何故にここまでの人気が出たかは理解しがたいモノがあるのですが、3作品の中では今最も波にのっているのは紛れも無い事実です。
さて、その劇場版でしたが…






ストーリーは原作1巻の話、つまり「悠二とシャナの出会い〜フリアグネ戦決着」までをアレンジしたものでした。
ぶっちゃけこれはTVアニメ版でもやっていたのですが、あっちでは途中で原作2巻の話が入ってきたりとかなり意味の分からないことになっていました。
実際、原作1巻ではマージョリー姉さんもラミーも出てこないっての。
こいつらは原作2巻が初登場やっつーの。
まぁ原作で戦わなかったキャラ同士によるドリームマッチってのは嫌いじゃないですが、あれは明らかに蛇足やった…
ちなみに今回の劇場版での一番のアレンジは、そのマージョリー姉さんが出てきてしまってることだと思いました。
そんなにスタッフは出したいのかよ、マージョリー姉さんを…




さて、劇場版シャナが始まって数分、私はとっても嫌な予感がしてきました。
だってさっきからスクリーンで流れている映像にすっごい見覚えがあったからです。
てか、どう見てもTVアニメ版の映像を再編集しただけです。本当に(ry


おいおい、まさか劇場版シャナってTVアニメ版を再編集したモノじゃないよな!
「ホントなんなんだよシャナのアニメスタッフは!」と私の中でシャナのアニメスタッフの評価がさらに下がりました。
一部変更されているシーンもありましたが、それもそう驚くほどのものでもなかったため、すでにこの時点で私の劇場版シャナに対する興味がなくなっていました。




そんな風に観ていてだいたいストーリーが中盤に差し掛かった頃でしょうか。
明らかに話に必要の無いマージョリー姉さんが出てきた辺りから何かが変わり始めました。
正確には、信じられないことに面白くなり始めてきた。
まぁぶっちゃけ原作に近い展開をしていってるだけなのですが。
TV版ではこの時点ですでに原作からそれていってましたが、こっちではマージョリー姉さんがいるという以外大きな変化は見られません。
そして原作通りに悠二がフリアグネにさらわれて・・・という展開になりました。
ここでの展開もマージョリー姉さんがいるという以外はほぼ原作通り。
どうしたんだアニメスタッフ!?
君達の無理やりオリジナルを貫いて視聴者をガッカリさせる手腕はいずこへ(ヲイ
まぁ私的には面白いからOKなのですけどね。


しかもその後のシャナが自身の迷いを断ち切るシーンにもマージョリー姉さんが関わってくるとは…
まぁマージョリー姉さんのキャラ的に違和感がないのですが、ここはシャナが自分で悩んで迷いを断ち切るからいいのではないかと。シャナの成長という意味でも。
ですが、原作と比べると明らかにシャナと悠二の交流時間が短いため、自分で悩んで気付くのではなく他人に発破かけられて気付くくらいが丁度いいのかもしれません。
実を言うと、ぶっちゃけマージョリー姉さんはこのシーンのためだけに映画に登場することになったんじゃないかと思えるほど、このシーンは似合ってた。




そしてフリアグネとの決戦。
最高でした…
これですよ!
これが本来のフリアグネ戦なのですよ!マージョリー姉さんがいるということ以外は
マリアンヌの特攻、キレるフリアグネ、悠二の「封絶だ!!」の叫び、都喰らいの対処法、シャナの決意と判断、そしてアラストール降臨…
原作での熱いシーンをすべてしっかりと映像化してくれました。
これ本当にTV版と同じスタッフですかと思ってしまうほどの素晴らしさでした。
特に悠二が「封絶だ!!」と叫ぶシーンは最高でした。
これはそこまでの盛り上げ方に声優の演技が相まって、私的に劇場版シャナで一番好きなシーンとなりました。




そして戦いが終わって零時迷子の秘密が明かされ、いい感じに締めくくってエンディングへ…
このエンディングで流れる「天壌を翔る者たち」が、またいい感じに余韻に浸らせてくれます。
この曲は映画が公開される前に発売されていたので観に行く前に聞きまくってました。
さすがにユニット名とあのシュールすぎるダンスを見せてくれるPVは正直どうかと思いますが、曲自体はかなり好きです。
ぶっちゃけ今まで発売されたシャナ関係の曲の中では一番好きです。
なのであの後半部分をみせられた後にこの曲が流れるというコンボに私は完敗しました。




そんなわけで劇場版シャナは実に楽しめたのですが、TVアニメ版の映像を繋げただけの前半部分はいただけませんでした。
確かに内容はほぼ変わらないんですけど、一応3作品の中ではメインといった扱いなのですから、ちゃんと全部作り直してほしかったです。
















-キノの旅-



お次は電撃文庫の代表作といっても過言ではないキノの旅です。
キノはすでに1度映画化されていますので、今作は劇場版2作目となります。






さて、そんな劇場版キノの旅でしたが、これは上映される順番が悪かったとしか言いようがなかったです。
話自体は私的にすごく好きな話でした。
やっぱり私はこの手の話に弱いようです。
また安易なラストにしなかったことも好感が持てます。
切なく、それでいて希望は消えていない、この空気すごく良いです。


しかし、いかんせんシャナの後にやるには内容が地味すぎました。
たぶん3作品の中では一番印象に残りにくいでしょう。
映像の見せ方を工夫してはいましたが、いかんせん地味なイメージを拭い去ることはできていませんでした。


ですが言い方は悪いかもしれませんが、地味だがこの地に足着いた安定感こそがキノの持ち味なのだと私は思いました。
そう考えればスタッフは実にいい仕事してると言えます。
ちゃんとキノの雰囲気を再現しているのですから。
まぁ私は原作を読んだことが無いのであくまでの私のイメージですが。
ただそのため他のに比べるとインパクトが薄かった感が…
3作品中最もいい話をやっていただけに残念です。
だからといって印象に残りやすそうな学園キノ的な話をやられたら、それはそれで間違ってる気がしますがw


なので上映する順番を「キノ→シャナ→いぬかみ」にすればまだよかったのではないかと。
そうすればまだマシだったような気がします。




あと今回のゲストキャラであるイナーシャの声優は川澄さんでした。
劇場版シャナでは頂のヘカテーたんでの吉田並に出番と台詞が少なかったためか、こっちではとにかくしゃべるしゃべる。
てか川澄さんは前座にも吉田が出てましたし、これでいぬかみにも出ていれば今回の映画フル出演でしたのに…
















-いぬかみ-



今回の作品群の中でトリを務めた劇場版いぬかみ
ちょいと脇道にそれますが、最後というのは作品を締める意味でとても肝心です。
「終わりよければすべて良し」という言葉もあるとおり、最後をちゃんと締められるかによって作品の評価は決まったりもします。
最初も重要ですが、最後というのもまた重要なのです。
さて、いぬかみはちゃんと最後を締められたのでしょうか?








結論からいうと、観客を爆笑の渦に巻き込んでバッチリ締めてくれました。
いや、すごかったですよ。
キノがまた考えさせられる話だっただけに、ギャグの威力が倍増してらっしゃった。
私もまさか「人が棺桶で寝てるだけのシーン」であそこまで笑うとは思ってもいませんでした。
おそるべし、いぬかみ




ストーリーは3作品中唯一の劇場版用完全オリジナル(のはず)だったのですが、これがとにかくギャグ重視にかかれているのですよ。
おまけにそのギャグが作中でよく取り上げられる変態系のネタが大多数なため、犬神達を見るよりもむしろ変態達を見る映画と化していますw
すがすがしいがまでに、シャナやキノとは作中の空気が根底から違うことを見せつけてくれています。
一応ストーリーはシリアスに始まるのですが、即行でシリアス空気をぶち壊してそのままずっと俺のターン並に突っ走ってくれました。
まぁストーリーを要約すると「変態vs変態 そしてぞうさんと裸王と巨大化と」って感じなので、ぶっちゃけおまけ程度に思ってくれて問題なしです。(ぇ
それよりも次から次へと出てくる変態達、後半からラストまで見たくも無いのに見せ付けてくれる主人公である啓太(♂)の全裸とぞうさんモザイク、大勢の「やらないか」による合体巨大化、などを楽しみましょうw(マテ
この辺りのはじけっぷりは期待していた以上のものがあり、とても楽しかったです。


そして何よりも最高だったのが変態達のコスプレネタ。
よく映像化できたなぁ…なネタのオンパレードwww
製作陣チャレンジャーすぎやってwww
正直劇場版いぬかみで一番印象に残ってますというか、あまりの衝撃に忘れられないwww
まさかともはねの「それじゃ、わたしもぬぐー」のシーンよりも記憶に残りやがるとは……(どのみち人として終わってるな




とにかく終始ギャグに走り続けた感のある劇場版いぬかみ
観客の反応を見る限りでは、その目論見は大成功だったと言わざるをえないでしょう。
てか、スタッフロールでもちゃんと笑わせてくれる製作陣は抜け目なさすぎw
















さて3作品観終わった後での総合感想ですが、それぞれがちゃんと自分の持ち味を見せてくれたように感じました。
それぞれ失敗してた印象もなく、じゅうぶん成功したと言えるでしょう。
ぶっちゃけこの3作品のどれかのファンであるなら、オススメできる内容でした。
ただ映画内ではキャラ紹介とか設定を説明してくれないので(シャナは一応説明してくれる)、それぞれの作品の基本的な知識がないと楽しめないのは仕方ないことでしょうね。
まぁいぬかみは知識が無くても問題なく笑えるでしょうがw
一応知識があれば、より笑えますがw




そんなわけで電撃ムービーフェスティバル、私的には大満足でした。
普通にもう一回金を払って観に行ってもいいかなと思える出来栄えでございました。












最後に蛇足。
なぜ劇場版シャナがTVアニメ版のその後ではなく、わざわざ1巻の内容を再びやったのかについてYと話し合ったのですが、その結論。


私「やっぱ原作ファンからの苦情が多くて作り直さざるを得なかったんだよ。」
Y「いや、むしろ第2期は今回の劇場版の後の話をやるつもりなんじゃ?」
Y「つまり、今回の劇場版は第2期の第1話なんだよ!」
私「な、なんだってえぇぇぇ!?」


だったら嬉しいな…
少なくとももう一度1巻の内容をやればTVアニメ版の映像があるから手抜きが出来ると製作陣が考えてた、よりは夢がありませんか?