畑の道、人の多い免許センターで -前編-

というわけで2月の頭、ポリスメンから免許センターへの出頭要請が来ましたので、有給を取っていってきました。
まぁ要するに、「お前免停だからちょっとこいや」ってことですね。


さて、普段出社するのより1本前の電車に乗って、はるばる水戸へ。
そして水戸駅からは数年前を思い出しつつ、今度はまったく迷わずバスに乗車して免許センターに着きました。
しっかし久々に来ましたよ、水戸の免許センター。
うん、やっぱ相変わらずだなここは。
畑ばっかの風景にちょっとしたスパイスを加える高速道路。
そして申し訳程度にあるコンビニ。
相変わらずさびれてんな…
これでも一応県庁所在地なんですよ。
しかも駅からさほど離れてもいない。
なのに、なぁ…
一般的には数年前とほぼ変わらない景色というのは、感傷に浸ったり、感動の対象とかになったりするのでしょうが、今見ている景色には劇場版CLANNAD並に感動できないのはなんでだろう?






とりあえず、まだこちら側に堕ちきる前だった頃に思いを馳せるのはこのくらいにしといて、わざわざ有給を取ってまでここまで来た目的を果たすために、いざ免許センター内へ。
そして通知書に書かれていたとおりに、3階へ。
前回免許を取りに来たときには2階までしか上がらなかったので、3階まで上がったのは初となります。
まぁこんなこと(免停)でもなきゃ来ねぇしな。
んでそこには会議で使う長方形のテーブルとパイプ椅子数個置かれており、ポリスメンと免許センターと思わしき人がこちらを睨みつけながら着席していました。
えっと、あの……なんで睨んでらっしゃるんですか?
僕、何も悪いことしてないですよ。 ←人身事故の加害者
あと、私が近付いたら睨みつけるから微笑みかけるにフェイスチェンジしたのは何故ですか?


とまぁ、いきなり謎の挙動でびびらされたわけですが、だからといってここで回れ右をするのはなんか負けた気がしますし、何よりここに来た目的が果たせなくなるので、そのまま長机へ歩を進める私。
んでさっそく通知書を渡したところ、なんと一緒に免許証まで渡すように言われました。
ああ、免停って免許になんか記入するんじゃなくて、免許そのものを回収されちゃうんですね。
てことは、財布に免許証を常備している身としてはあれですか?
どっか出掛けるときに免許証を持ってない状態になるのは、伊豆旅行以来ということですか。
まぁあんときは一時的にだったけど。
とまぁそんなことを思いながら、ドナドナされてゆく免許証を濁りきった目で見つめている私。
すると、そんな私にポリスメンが実に事務的な口調で話しかけてきました。
ポリスメンいわく、この後行われる講習に参加すれば、免停期間が減るとのこと。
ああ、そういやそんなことが通知書に書いてありましたね。
ならばさっそくということで、講習の申し込みを行うために隣の長机へ向かう私。
確かに今月いっぱいくらいまでは車通勤できないでしょうから、ぶっちゃけ車を運転できなくてもと思わないこともないが、買い物の都合を考えると車がないと辛くて…
さすがに荷台もかごもない自転車で、米とか灯油を運ぶのは無理ぽ…
まぁ米はいざとなればパンとかで代用できるとしても、寒がりな私にとってはこの季節にストーブが仕えないことが死活問題なのですよ。
特に今住んでいるアパートは外気温と変わらないってか、ヘタすると外気温より寒いんじゃね?って本気で思えてくるほど寒いんだよチクショー!


そんなわけで、さっそく講習を申し込む私。
もちろん講習は有料なので、お金も払いましたよ、ええ…
これって罰金代わりなのかね。
しかし、こんなところで無駄な出費か…
正直食費も切り詰めようがな…
やっぱ派遣先の社食が400円と高すぎるのがネックだな。
正直朝、昼、晩の3食の中で一番高いわけだし、ここは以前に行っていた弁当作戦を再開するべきかね…




んでPS2のゲームが新品で2本ほど買えるくらいの金を払って、いざ講習会場へ。
といっても受付のすぐ隣の部屋なんですけどね。
ただその講習会場は、なんというかとても懐かしい風景でした。
だって、普通に学校の教室そのものなんだもん。
使い古された黒板があって、脇に給食着とか小物入れをぶらさげられる机が均等に並べてあって、廊下と逆側は一面が窓でなおかつ古臭いカーテンがかかっていて…
これでもかとばかりに、高校までの学生生活を思い出させる空気に満ち溢れているわ。
ただ、椅子がパイプ椅子だったり、後ろに掃除道具入れのロッカーがなかったりするのは、減点だな(ぇ
てな感じに、来たことなど一度もないのに、どこか懐かしい空気に包まれた教室に足を踏み入れた私。
そのまま受付で指定された机まで行き、そこに荷物を置きました。
まぁ荷物と言っても、財布や昼飯なんかを入れてきたバッグだけですけどね。
てか、前から2番目の席か…
前に人を盾にしても寝るのが難しい位置だな、ここは。
まぁ、寝る気はないですけどね。
てか、この机に座るのも何年ぶりだろう…
ちなみに講習が始まるまでまた少し時間があったので、とりあえずバスの中からずっと我慢してたトイレに行ってきました。
んでトイレから教室への帰り道…
突如、受付から怒鳴り声が聞こえてきました。
なので声が聞こえてきた方向に首を向けると、そこには受付のポリスメン相手に、訴えてるんだか怒鳴りつけてるんだか判別が難しい態度のおっさんがいました。
どうやらこのおっさん、自分が点数を引かれたことに納得がいっていないご様子。
ちなみにこのおっさんの話を要約すると…


前の車に追突

車が多少へこんだだけで、お互いに怪我なしだったので物損事故扱い

後日、相手が体の不調を訴えて通院することに

人身事故に変更

点数引かれて出頭要請


とのこと。
なんというか、期間は違えど同じく物損から人身になった身としては、御愁傷様ですとしか言えないわ…
ただ、その場で変更になった私と違い、数日たってから変更になったことに納得がいっていないご様子。
必死になって、あの後普通に運転してたといった感じに、相手は正常だったと訴えています。
それはもう、今にも机を蹴り飛ばしかねない勢いで。
ですがそんな視線を受けつつも、ポリスメンは冷静に人身に変更になったのだからしょうがないと説得しておりました。
てか、ほぼ動じていないところを見るに、場所が場所ですからこの手の対応には慣れているんですかね。
もちろん、そう言われたところで、おっさんは納得がいくわけがないようで、相手に異常がなかったことを何度も何度も繰り返し訴え続けてました。
しかし、私もヘタしたらあの立場になっていた可能性もあったわけですから、正直他人事とは思えないですね…
まぁ私の場合は、訴えることなく、そのまま受け入れちゃいそうですけどね。
なんかめんどくさそうですし(そういう問題じゃない
そのまま野次馬根性全開でしばらくおっさんとポリスメンのやり取りを見守っていましたが、話が無限ループに突入して進展が見込めなくなってきたのと講習の開始時間が迫ってきたので、見物を切り上げて教室に戻りました。






そして講習開始時間となり、講師が教室に入ってきました。
んで講習が始まったわけですが、まずは本日の日程説明。
うわぁ〜、16:00まで予定がみっちり組まれてるわ…
なんか早くも気分がゲンナリしてきました。
んで日程説明が終わると、続いて適性検査が始まりました。
どうやらこれで自分の安全運転度などがわかるようです。
ならばということで、ボケることなく真面目に回答しました。
たださ、質問の中に「自分の運転に自信がある」って項目があって噴き出しそうになった私。
あったらこんなもの受けてねぇつーの。
あ、でも駐禁で引かれまくった人なら、あるいは…


んで適性検査が終わり、いよいよ本格的な講習が始まりました。
まぁ講習といっても、教科書として渡された本ともとに講師の授業を受けるだけですけどね。
でもここで勉強したことが、午後のテストで出るらしく、そのテストの点しだいで免停期間が決まるようなのです。
だから、必然的に真面目にならざるを得ないわけです。


のはずなんですけど、両脇の席の人が講習始まって30分以内に寝始めた罠。
まぁ確かに、講習の内容は免許取るときの学科試験で勉強したものと変わらないわけですから、その辺りの知識がしっかりしてるなら寝てても問題ないんですけどね。
ぶっちゃけ私も眠かった。
ようはテストでいい点が取れればいいわけですし。
うん、この辺は学校の勉強となんら変わりないですね。
むしろテスト対策という意味では、塾の方が当てはまりますかな。
だから、「学校は受験対策の授業以外するな」とかいうモンペが増えてるんでしょうね。
子供にしてみりゃ、たまにやるテスト対策とは一切関係ないような、知的好奇心をそそる授業の方が面白いし、将来のためになるというのに…
まぁ、あくまでも私個人の考えですけどね。
ぶっちゃけテストの点数は常に平均程度でしたから、こんなこと言ったところで、馬鹿の妬みとも思えちゃうしな…


まぁ講習は眠かったですけど、一応それなりに真面目に受けましたよ。
事故を起こしてしまった身としては、こう、反省の気持ちというか、この状況で寝るのは後ろめたいものがあるというか…
それにテストでいい点を取って、免停期間短くしたいですし。
ぶっちゃけ免許を取ってから結構経ったので、少々知識が、ね…
といった感じに、講習が始まった当初は少々不安もあったわけですが、講習を聞いてるうちに忘れていた知識を色々と思い出してきた私。
そしてわからないゆえに講習が退屈になって眠くなるのではなく、わかりすぎるゆえに講習に飽きてきて眠くなってきたわけです。
うん、やっぱ私は根がまじめじゃないなw
かといって私の席は最前列。
とても寝れる位置じゃありません。
なので暇つぶしをかねて周りを見渡してみることにしたわけですが…


右の席…机に突っ伏して爆睡中


左の席…机に突っ伏して爆睡中


右斜め後ろの席…机に突っ伏して爆睡中


左斜め後ろの席…座った体勢のまま腕組んで爆睡中(女性)






ヲイ、みんな寝てるじゃねぇか!




あれ?
これってもしかして真面目に受ける必要ないのか?
午後の試験って今寝てても普通に受かるレベルなん?
でもここにいる人達って、免停くらうの初……ですよね?
だから試験の難易度なんてわかるわけないはず………………知り合いに聞いたんかな?
確かに今講習で教わっている内容は、免許取るときに教わった内容以上のことはしてないしな…
だが、もしここで爆睡仲間に加わったとして、私が夢の世界でウフフアハハとなっている間に試験の重要点を話す可能性も…


と、試験勉強に飽きて無意味に部屋の模様替えを始める学生のようにすっかり集中力が途切れてしまった私はその後の講習時間を、講習そっちのけで今すぐ寝るべきか寝ないべきかをうだうだ考えてすごしましたとさ。










後編へ続く。