畑の道、人の多い免許センターで -中編-

そして講習が始まってから早3時間。
講師による授業も終わり、昼休憩となりました。
なので私は、免許センター内の給湯室へ。
そこでアパートから持参した、以前にスーパーの安売りで買ったカップ麺にお湯をそそがせてもらう私。
ちなみにおかずとして持参してきた、スーパー閉店1時間前の半額タイムで買ったコロッケも電子レンジをかりてあっためさせてもらいますた。
合わせて130円也。
うん、実にリーズナブルだ。
そして食べ終わると、特に行くところもないので教室へ戻りました。
本来ならテストに向けてさっきの授業の復習とかをするべきなんでしょうが、私は平日の昼飯後は昼寝をするのがすっかり習慣化しちゃってるため、この時も急激に眠気が襲ってきたわけです。
んで結局、私はそのまま眠気に無条件降伏してテストが始まるまで惰眠を貪ってしまいました。






ガラガラ〜と扉の開く音に、ふと目を覚ました私。
寝起きのボ〜とした頭で視線を音のした方に向けると、そこには教室前方の扉を開けて教室に入ってくる講師の姿が。
どうやら休憩時間は終わりのようです。
となると、いよいよ本日最大のイベントであるテストを行うわけですね。
ならばと、頭はまだ完全に覚醒してませんが、とりあえず椅子に座り直す私。
んでかばんに仕舞っていた筆記用具を取り出して、準備だけは済ませました。
周りの受講者も講師が教室に入ってくると同時に、いそいそと準備を始めてました。
そして講師が受講者が全員いることを確認後、問題用紙と解答用紙を配り始めました。
なるほど、これが問題用紙か…………って、あれ?
なんかこの問題用紙、見覚えあるぞ?


いや、問題内容ではなくて、この問題用紙そのものが、なんですが……
画用紙のような触感にサイズ…
そしてこの使い古された感…
まさかこれって免許取得の学科試験時に使用される問題用紙じゃねぇの?


まぁそりゃ、今回の授業だって学科試験時に勉強したことと同じ内容だったわけだから、用紙を使い回すのは問題ないわけですが、なんかなぁ…




というわけで問題内容は、以前勉強した時の知識&午前中の授業を聞いて復習した知識でほぼ解ける問題だったので、予想以上に軽々と答えられました。
その結果、試験時間の半分が過ぎる頃にはすでに全問解き終えていまい、残り時間は見直しを行っていましたがそれでも時間が余り、しまいにはわざと問題を深読みしまくってまったく別の答えを引き出せないかに挑戦という、くだらなさすぎる暇つぶしをしてました。
てか、免許関係の試験問題って、考え方次第ではYesNoどっちとも取れそうな問題が必ず数個ほどあるのがいやらしいですよね。
そして一度はまると抜けられなくなるわけです。
まぁ今回のはわかりやすかったから、特にはまることなくすんなり解けましたけどね。




そんなこんなでテスト終了。
さて、これの成績によって免停の期間が決まるのですが、どうやら採点の都合により結果が出るのに1時間ほどかかるとのこと。
なのでそれまで、午前中に受けたのとは別の適性検査を受けることになった我々。
ちなみにその適性検査は別の教室で行うとのことで、荷物はそのままで検査を行う教室へと向かいました。




さて、検査を行う教室に入ったわけですが…
なんとその教室は、一面レーシングゲームの筐体っぽいもので埋め尽くされているという、およそ教室という名前に似つかわしくない部屋でした。
ちなみにその筐体には、シートにシートベルトにハンドル、シフトレバーにハンドブレーキと、一通り装備されています。
そして正面のモニターには、この筐体の開発元と思われるメーカー名が表示されていました。
う〜ん、きっとこれは運転シミュレーターの類なんでしょうけど、見た目と操作性がずいぶんと本格的なやつですね、これ。
まぁこういう場面で使用するものなのだから、実機に近くないと意味ないわけですが。
しかしハンドブレーキ付きの筐体というと、セガラリーを思い出すな〜


とりあえず目の前の筐体にそんな感想を抱きながら、周りに合わせて手近な筐体に腰掛けました。
んで自分以外の車に乗り込んだときにいつもするように、座席の位置を調整する私。
なんでそんなことをしているかというと、私は車を運転するときは膝がそれなりに曲がるくらいの位置に座席を調整しているからです。
そのため座席は、標準的な位置よりも結構前にセットされることになります。
なので私の運転した後に乗る人は、まず座席を思いっきり後ろに下げるのが定番化してたりするわけです。


閑話休題
というわけで、座席をそれなりに前に移動。
んで軽く動かしつつそれぞれの位置を確認する私。
うん、ハンドルよーし。
うん、ブレーキよーし。
うん、ハンドブレーキ……って!?




ねぇ、なんで軽く前かがみにならないと届かない位置にハンドブレーキがあるの?




いやいや、ちょっと待とうぜ。
これってハンドブレーキどころか、本来シフトレバーがあるであろう位置よりも前じゃんか!
しかもその関係上、この筐体のシフトレバーはさらに前にあるしよ!
え、なに、これで運転しろって?
私はな、かの有名な理不尽なまでに不死身な海賊王志望のゴム人間じゃないんだ!
む・り・い・う・な・!




とまぁ心の中で一通りツッコミをした後、とりあえずハンドブレーキとシフトレバーに合わせてシートをセットしてみましたが、すると前になりすぎて常に腕と膝を曲げ続けなければならずとても運転なんぞ出来たものではありません。
そんなわけで結局、ハンドブレーキとシフトレバーをできるかぎり使わない方向でいくことにしました。
私はオートマなのによくシフトレバーを切り替えるタイプですが、今回は使わない方向でいこうかと。
まぁガチャガチャいじらなくても、普通に運転する分には特に不都合な点はないしな。


そして私が色々あきらめて妥協点を見出した頃、講師からシートの調整などをやめて画面を見てくださいとの指示が。
その指示に従って目の前の画面を見てみると、先程までのメーカーロゴから画面が変化して、適性検査の説明が始まりました。
とりあえず筐体の基本操作(といっても普通に車を運転するのと同じ)から始まり、適性検査の概要まで説明してくれました。
なんでも画面に「発進して下さい」や「右折してください」などの指示が出るそうで、それに従って運転して下さいとのこと。
あ〜、なんだ、レースしないんだ(あたり前です


んで操作説明も終わり、いよいよ適正試験開始。
というわけで、シートベルトを締めて、前かがみになりながらサイドブレーキをおろしてシフトレバーをDに入れ、画面の「発進して下さい」の指示に従ってアクセルを踏んで、いざ発進〜。










う、動かねぇ…(;´д` )






おっかしいな、いつもの感覚でアクセル踏んでもピクリとも動かないんですけど…
ああ、画面上の「発進して下さい」の表示がなんかむかつく…
なのでちょいと強めに踏んだところ、ようやく画面の風景が動き始めました。
どうやらやっと動き出したようです。
う〜ん、嫌になるくらいアクセルの反応が悪いな…
まるで使いすぎてボタンが効きにくくなったゲーム機のコントローラーのようです。
てかさ、こんなんでちゃんと検査できるんですかね?
そう思いながら画面の指示に従って車(シミュレーターですが)を走らせる私。
すると子供の飛び出しや追い抜きなど、いかにも検査です的な場面が次から次へと出てきました。
そしてそういった場面では、画面に指示が出ないので、自分で判断しなくてはならないわけです。
まぁ、検査だけあってその手のトラップはわかりやすいんで、普通に見てればひっかからずに行けますけどね。


んでまぁ問題なく進み続けてるわけですけど、どうにも単調すぎてつまらない。
トラップをあっさり見抜けちゃうから、楽すぎるんだよな…
と適正検査に飽きてきた頃、ふと思いついたことが。
トラップにひっかかると、おそらく事故って云々ということになるのはわかるんですが、「右折して下さい」などの指示に逆らうとどうなるんだろう?
そう思ったところ、ちょうどいいタイミングでやたらと「右折して下さい」や「左折して下さい」といった指示が出てくる住宅街に入りました。
よし、じゃあさっそくパパ試しちゃうぞ〜。
早速出てきた「右折して下さい」の指示。
しかし、「せっかくだから、俺は左折するぜ」と指示に逆らって左折してみました。
すると画面上には「戻って下さい」との指示が。


だが断る


そんなわけで頭の中にあの偉大な漫画家の顔を思い浮かべながら、指示を無視して前進前進〜。
その後も「戻って下さい」の指示はおさまることなく画面に表示されっぱなしなわけですが、そんなもん見えやしぇね!って感じにガン無視させてもらいました。
そう、何故なら私はスクライダーだからな!
指示だとか命令といった無理やり押し付けてくるものには、反逆したくなるんだよ!衝撃のファーストブリtt(ry


そんな感じに調子に乗って指示に逆らって進んでいたわけですが、所詮はシミュレーター。
コンピュータの支配してる世界で、人間がいつまでも反逆できるわけがありません。
こっちがいくらアクセルを踏み込んでもそんなのおかまいなしって感じに、徐々に車が減速していき、最終的にはうんともすんとも言わなくなって止まってしまいました。
くっ、卑怯だぞ!
こうなると、グリッ○マンよろしく電脳世界に飛び込まない限りは、こっちからはどうしようも出来ないじゃないか!
あ〜あ、こうやって世のはみ出し者は排除されてくわけですね。わかります。
そんな感じにふてくされてると、勝手に画面が暗転し、次に画面が表示されたときには住宅街を抜けたところからスタートってことになってました。






え、なにこれ?
もしかして隠しワープっすか?






うわ〜、こんなシミュレーターですら隠しワープを発見してしまうだなんて、私って根っからのゲーマーなんですね(ぇ
ただ一応これは適性検査なんで、こういうことしてると評価に響くんでしょうが、別にこれで免停期間が延びるとかでもないし、どうでもいいや。
まぁこの後は逆うと面白そうな指示がこれといって出てこなかったんで、そのまま検査時間終了まで普通に進めてました。




そんなこんなで適性検査終了。
ちなみに検査結果ですが、スクライダー的な行動をしたわりには、ほぼ安全な運転との評価をいただきました。このシミュレーター大丈夫か?
ただ隠しワープを使った影響か、建物や車のかげなどからの飛び出しで一回も事故ってないのに、建物や車のかげなどからの飛び出しにはもう少し注意しましょうとの評価になってしまいました。
おいおいこのシミュレーターソフトの開発者さんや、デバッグがなってませんぜw(ぉ
そして適性検査が終わった余韻に浸る間も無く(もともと余韻なんぞありはしませんが)、我々は急かされる様に次の適性検査を行う教室へと移動することとなりましたとさ。










後編へ続く。