畑の道、人の多い免許センターで -後編-

そして先ほどの教室から1年2組なら、1年5組にあたる場所に移動してきた我々。
さてさて、次の適性検査は何じゃろなと思って教室内を見渡すと、そこには15インチほどのサイズの液晶モニターがポツンと設置された事務机の簡易版みたいな机が多数並べられていました。
しかもその机には何故かハンドル、アクセル、ブレーキの3点セットが取り付けられてんの。
正直、適性検査の会場ってよりはなんかの実験室みたいです。
そして全員が部屋に入ったところで、教室後方にある黒板を使って今回の適性検査の説明が入りました。
なんでも、


・シミュレーターの内容は先ほどと違って、基本延々と道路を走行するだけ。
・走行してると、画面上にマークが出現する。
・出現するタイミングはランダムっぽい。
・マークには色があり、その色によってブレーキ踏んだり、ブレーキ踏んですぐアクセルを踏むなど色ごとに違った行動を取る。
・マークの色が変わる順番は固定。


今回の適正検査の目的は、これらの行動の早さや正確さを検査するものらしいです。
ちなみにこれが検査1で、検査は全部で4つもあるとのこと。
んで他の検査はこんな感じだそうです。


検査2:マークの色の変化する順番がランダムとなっており、多少難易度がアップしたステージ。
検査3:道路上に引かれた線の上から逸れないように操作しながら一定時間走る続けるステージ。
検査4:検査2と検査3がフージョンした、事実上この検査最難関のステージ。


講師の説明も終わり、各自指示に従って指定された席に座ることに。
ちなみに私は窓際の一番後ろという、漫画だとよく寝れる席として席替えで争奪戦が起こりやすい席でした。
でも現実だとあの場所って逆に目立つから寝にくいんですよね……
まぁ今回は適正検査なんで、寝る気ないからどうでもいいわけですが。






んで全員が席に着いたところでさっそく適性検査開始。
画面に一昔前のゲーム画面のような並木道が表示され、「アクセルを踏んでください」の指示に従ってアクセル全開。
そして一定速度に達したところでマークが表示されるようになったわけですが……




マーク表示

指示どおりの操作

マークが出るまで走行

マーク表示

指示どおりの操作

マークが出るまで走行

以下、一定時間が経過するまでループ








いや〜、単調すぎて飽きるよ、これ……




まぁ確かに、カービィースパデラの「刹那の見切り」の要領で、マークが出てから反応までの時間を極限まで切り詰める挑戦をしてもいいのですが、タイムが表示されないからどんだけの早さで反応できたのかがわからねぇ……
まったく、このソフトの製作者は遊び心が足らないぜ(イロイロマテ
ちなみにマークが表示されるときは、「ポーン」とWindowsのエラーメッセージ表示時に鳴る警告音を迫力なさげにしたような音が鳴るわけですが、イヤホンとかつけてないのでそこら辺から聞こえてくるんですよ、これが。
んでそれに反応してブレーキを踏む「ガチャ」って音も。
もちろん適性検査中は私語禁止なんで、ただひたすら「ポーン」と「ガチャ」がそこらじゅうから鳴り響くこの教室。
時期が時期なら学校の七不思議に登録される不気味さだぞ、これ……






そんなこんなで検査1が終わり、続いて検査2へ。
と言っても検査1に多少ゲーム性が追加されただけなので、特に苦労することも無く終了。
おいおい、これだったらFF6のラスダンを1人のみのパーティ×3(過剰なレベル上げ禁止)でクリアする方がまだ難しいぞ。
まぁ適性検査に難しさを求めてどうするって言われればそれまですが。
さて次は検査3か〜と思ったところ、ここでアクシデント発生。






画面に「以上で検査は終了です。」って表示されたんやけど…
しかも数秒後には、検査開始前の画面に戻ったんやけど……






予想外の展開に戸惑う我々。
そして後ろでてんぱってる講師達。
なんか上司っぽいおっさんが、部下っぽいおっさんを問い詰めてるよ〜
そしてロリ雑誌であってもお構いなしに年増を書こうとする漫画家のごとく空気をまったく読もうとしないプリンター君が、WAWAWAではなくGAGAGAと言いながら検査結果を出力始めたから、問い詰める声に焦りと苛立ちの成分がどんどん濃くなっていく始末。
おいおいおっさん、部下半泣きだぞ。
そうか、これがパワハr(ry
結局講師が4人ほど集まって話し合った結果、検査3はなかったことにして検査4だけ行うことになりました。
何が起こったのかは知りませんが、とりあえず検査3はできなくなってしまったみたいです。
そんなわけで検査3をすっ飛ばしての検査4。
てかさ、検査4は上記で説明したとおり、検査2と検査3を合わせた内容なんで検査3を受けずにいきなりやれとかありえなくね?
と悪態はついてみたものの、実際やってみると何の苦労もなくできちゃったんですけどね。
まぁ確かに検査3の内容は、免許を持ってなくてレースゲームもちょっとだけやりました程度の人でも難なくこなせるようなレベルですからね。
すげぇあっさり終わりましたよ。
ぶっつけ本番だから苦労するかと思ったけど、別にそんなことは無かったぜ。




ちなみに検査結果は


検査1:平均よりちょい下
検査2:優秀
検査3:判別不能
検査4:平均


ですた。






そんなこんなで適正検査も終了。
とりあえず、これですべての適性検査が終わったことになります。
んで特に余韻に浸ることも無く教室に戻ってきた我々を待っていたのは、テスト結果発表という本日最重要イベントでした。
もうこの言葉を聞いた瞬間、教室の空気が一気に張り詰めたものに変わりました。
純愛系ギャルゲーで例えると、前半のラブコメパートから後半のシリアスパートに切り替わった感じです。
わかりずらいかな?
よし、それならわかりやすくドラゴンボールで例えてみましょう。
フリーザから変身を後2回残しているということを聞かされた瞬間といった感じです。


いい感じに教室内が緊迫してきたところで、2人居る試験管の片方が一人ずつ名前を呼び始めました。
ああ、もしかしてこれで名前を呼ばれた人が合格なのかな?
そんなことを思っていると、片方の講師は3名ほど名前を呼んだところで突然点呼をやめ、その人達を教室の外へと連れ出していったではありませんか!
え、あれ?
私、名前呼ばれなかったよ?
もしかして、あれっすか?
私、テスト不合格!?
嘘だっ!!


ちょっ、待てよ!
色々言いましたがぶっちゃけ自信あったぞ、受かるって。
さすがに以前一発合格した知識は伊達じゃないっての!
確かに2日連続で免許センターには行ってるけど、あれは受けれなかっただけだもん!
試験は一発合格してるもん!
なのに……なのに…………
いや、待てよ、落ち着け、私。
そうだ、発想を変えるんだ。
何らかの事情により、合格者は3名ずつ呼ばれるのではないのか?
だからあの後にまた講師が戻ってきて……
いやでも、私より後ろの番号の人が呼ばれてたなぁ……
ああ、やっぱ落ちたんかな、これ……
ぐぞ〜、たっかい受講料払ってほぼ一日拘束された結果がこれかよ。
はぁ〜、こうなるんだったら受講料でクソゲー買った方がまだ楽しめたじゃねぇか……






と軽くへこんでいた私。
いつの間にか教室の張り詰めた空気も、暗くどんよりとした空気に変わってきています。
おそらく私と同じように、名前を呼ばれなかった人がへこみ始めたんでしょうね。
そんな空気の中、教室に残っていた講師が我々にこう告げました。








「ここにいる皆さんは合格なので、免許停止期間を短縮します。」








一瞬、何を言われたのか、本気で理解できませんでした。
ゴウカク?
キカンタンシュク?
え、てこは……


勝・訴


ってことか!


落ちた気がしていたが、別にそんなことはなかったぜ!


ってことですよね!




あ〜、びっくりした〜
いやまぁ、早とちりで勘違いしただけですけど、あの空気は心臓に悪いって。
てか、落ちたの3名だけって、よくよく考えれば合格率高いですな。
もしかして、この合格率を知っていたから、午前の講習で寝てる人が多かったのですかね?






そんなこんなで波乱(?)の合格発表が終わると、とあるものを我々に配り始める講師。
それは一番最初に受けた、午前の適正試験の結果でした。
運転安全度とかいうやつです。
そして試験管によって、それぞれの安全度が低い人にはどのような傾向があるのかの説明が始まりました。
それは以下のような感じだそうです。






1. 自己顕示性
目立ちたがり、自分の行動そのものに酔いしれる


2. 自己中心性
常に自己のみの要求の満足を得ようとする


3. 非導法性
じっくり考えることが苦手で、動作がいいかげん


4. 衝動性
競争心が強く、自分のテンポでないと気持ちをコントロールすることができず、イライラや怒りっぽくなる


5. 総合態度
「ちょっとこのくらい」という甘い判断をしやすい






う〜ん…
ナルシスだったり自己中だったり我侭だったりと、それぞれ単体で見ても安全度が低いのに納得しちまう傾向ばっかりですね。
ちなみに私は1、2、4の傾向が強いらしいです。
てなわけで、自己分析。


自己顕示性:まぁそりゃこんな日記を嬉々としてさらしてる時点で(ry
自己中心性:え? 人間なら誰でも自分の欲求優先じゃ(ry
衝動性:誰だって自分の好きなものにはむきになるし、自分のペースを乱されれば(ry






うん、きっとこんなひねくれた考え方でいるから、事故とか起こすんでしょうね。






さて、今更過ぎる自己の性格判断が終わったところで、今度は講師が教室の暗幕を閉め始めました。
どうやらこの後は、ビデオ鑑賞会のようです。
ん〜、なんかこういう場で見るビデオって、なんとなく想像付くな。
そして画面に映し出されたのは、予想通り事故現場の映像でした。
ああ、やっぱり。
んでその後はドキュメンタリー映像に使われるような、とある家庭の説明が始まりました。
どうやらこのビデオは、交通事故を起こした、もしくは事故にあってしまった家庭を取材したもののようです。
あ〜、以前免許更新のときに見たビデオとは、系統が違うんですね。
あんときのはどう考えても演技っていうのがまるかわりでしたが、こっちは普通にノンフィクションのようです。
てか、ノンフィクションの映像があるんなら、免許更新のときもこっちを使えばいいのに。
あの時は役者のあまりの演技の下手さ&棒読みっぷりに、ビデオの内容に集中するどころじゃなかったからな〜


ちなみに隣の席の人は、ビデオの間ずっと寝てました。
あんたどんだけ(ry






そしてビデオが終了すると、講師が暗幕を開けながら本日の講習終了を告げました。
この声を聞いた瞬間、教室の空気が浮き足立ったものに変化しました。
あ〜、やっと終わるのか…
とりあえず免停期間短縮には成功したし、丸一日が無駄にならなくて良かったとです。
まぁこんなところでこんなことしてる時点で、時間をすげぇ無駄にしてる気がしないわけでもないですけどね…
でもまぁせっかくの開放感が台無しになりそうだったんで、別に鉱物と生物の中間の生命体となって永遠に宇宙空間をさまようわけではないですが、とりあえず今は考えるのをやめました。
しかし、そんな講義終了後特有の開放感に包まれた教室の空気をあらかじめ読んでいたかのようなタイミングで、講師は次の言葉を告げたのです。




「皆さんは29日短縮なので、免停期間は1日、つまり今日だけとなります。」


へぇ〜、明日じゃなくて今日になるんだ。


「なので本来、今日は免許証を返すわけにはいかないのですが、また明日取りにくるのも大変でしょうから、今から返却します。」


おお、今すぐ返してくれるんだ。
よかった〜
後日取りに来いとかだったら、また有給とらなくちゃならない羽目になるところやったし。


「ただし、免許証が返ってきても今日はまだ免停期間です。なのでまさか居ないとは思いますが、今日車に乗ってしまった者は、違反となり免許取り上げとなります。




なんだよそのイヤミ全開な言い方はさ!
てか、そんなこと言わなくても、さすがに今日乗る馬鹿はいないと思われ。
でもここまで言うってことは、乗っちゃった馬鹿が過去にいたんですかね?
なんか「今日車に乗って捕まったら、免許取り消されてもOKっすよ。」的な誓約書まで書かされましたし。
でもさ、これって00:00ジャストに捕まっても、約束を破ってないと解釈してOKですよね。(何をするつもりだ
まぁ00:00ジャストに捕まるってことは、それ以前、少なくとも23:59には車に乗っているものと考えられるから結局アウトですけどね。




そして誓約書を書いた後、それぞれ名前を呼ばれた順に教壇まで免許証を取りに行って、ようやく解散となりました。
うお〜、終わった〜。
あ〜、仕事とはまったく別の意味で疲れた〜。
しっかし、ただ講習を聞いたり試験をしたり検査を受けただけだってのに、この体の底からゴボゴボと湧き出してくる疲労感はなんざんしょ?
そんなよくわからない疲れを感じながら1階へ降りると、そこには何故か長蛇の列が。
おいおい、いつからここはコミケ会場になったんだよと思いながら列の先頭を見てみると、視力検査と書かれた紙が貼ってある部屋が。
あ〜、今日自動車免許の本試験に合格した人なんですね、これ。
う〜ん、私も数年前にはこうやって列の一人となってたっけな…
まさかこんなカタチで、再びこの列を見ることになるとは当時夢にも思ってませんでしたけどね。




本来味わうことの無い懐かしさを再び噛みしめながら、免許センターを出て目の前のバス停へ。
そこからバスに乗ってそのまま一気に水戸駅到着。
さて、電車が何時かな〜。
すぐ来てくれるとありがたいのですが、まぁ2、30分待ちはあたりまえの路線やしな〜。










ん?
待てよ……










たしか水戸駅の近くに、アニメイトがあったよな……
そしてたしか、リトバスのポテチが出てたよな……












裏面はグローブつけた凛とSDキャラ達。








まさか1発で小毬をGETできるとは……あいかわらずこういう引き運だけは無駄にあるんだよな。














畑の道、人の多い免許センターで