Fifth 〜Eternal Collection Box〜 感想そのさん 〜Fifth Aile〜

注:今回の感想はネタバレがかなり多く含まれています。なので簡単なネタバレでも見たくない人は、ほかのタイトルに飛んでください。
















































































今日はFifthシリーズ感想のラスト、Fifthシリーズ最新作である「Fifth Aile」の感想を書きますよ〜








・ゲーム内容
前2作から世界観や天魔の設定などにかなりの変更が加えられた今作。
特に世界観は前作までの西洋色、ファンタジー色が無くなり(別の意味でのファンタジー色はありますが)、現代物にかなり近くなったため、まったくの別物となっております。
結果、Fifthという作品における外伝、またはパラレルワールドといった感じに仕上がっています。
ちなみに今作での天魔はなんと4人。
Fifth…1人
Fifth TWIN…2人
Fifth Aile…4人
シリーズが進むにつれてどんどん増えていってますw








・システム関係
別作品と思えるほど、ガラリと変わった育成システム。


比較的最近の作品のためか、前2作と違って特にリメイク要素はありません。
システム機能も旧版「Fifth Aile」となんら変更されていません。
まぁシステム機能自体は今のとさほど変化ないので、旧版「Fifth Aile」から変更されていなくてもまったく問題ないのですけどね。




今作では前2作から育成システムやステータスが、完全に別物と言えるほど変化しました。
まず朝の修行がなくなったというか、そもそも娘達にその手の修行が必要なくなったことです。
何故なら今作での天魔は前2作でも天魔とは若干設定が異なるからです。
例として、天魔の持つ力が魔力ではなく合成の力になっていることや、幼精期少女期といった区別が無く最初から最後まで容姿が変化しない、などが上げられます。
そのため前2作のステータスには火、水、風、土の4大元素の属性がありましたが、今作ではそれらを一切排除して代わりに「魔力」「恋力」「精霊力」としています。
これらを簡単に解説すると、
「魔力」:合成を行うのに必要な力で、合成パートではこれを消費して合成を行います。一応毎日少しずつ回復します。
「恋力」:Hイベントと4人ルートに関係していて、これが一定値に達するとHイベントが発生します。また4人ルートでは4人の恋力が一定値以上ないとトゥルーエンドを迎えられずバットエンドとなるようです。主に会話イベントで上昇します。
「精霊力」:合成の成功率や合成レベルに直接関係してくる力。数値が高ければ高いほどより合成が成功しやすく、また高レベルな合成ができるようになります。合成を行うと上昇しますがランダム要素も加わるので確実に上昇するわけではありません。でも案外簡単に最大値になっちゃいますw
といったところです。
もちろん今作でもこれらのステータスはエンディングに一切関与しません。
例外として4人ルートのみ恋力が一定値以上ないとバットエンドになるようです。




そして前作までの育成システム「儀式」にあたる「合成」。
これはいくつかの素材と合成石を組み合わせて、そこに天魔の力を加えることによって1つのアイテムを創る作業です。
この合成が前作までの儀式と大きく異なってるのは、「一日に何度もできる」ことと「体力が回復しない」ことです。
前作までの儀式は一日に1回までしかできませんでしたが、今作の合成は娘の魔力が続く限りは何回だってできます。
てか、何回もできないと合成パートと一緒に今作から新規登場したもうひとつのパートの存在価値がほぼなくなってしまいますし。
このもうひとつのパートについては後で語るとして、とりあえず合成は何回もできないと意味がほぼないです。
んでもう1つの異なる点、合成を行っても体力が一切回復しないについて。
前作までは儀式を行うことにより娘の体力が回復していましたが、合成は何十回行おうが体力は一切回復しません。
もちろん1日の終わりには体力が減少するので何か回復手段を取らないとバットエンドとなってしまうのですが、その方法はアイテムかお昼寝などとなっています。
ですから合成は体力回復にまったく関係ありません。
これも何回も合成が行える理由なのでしょうけど。


この合成の難易度ですが、かなり楽です。



ちなみにそれぞれの娘によって合成で創れるアイテムが異なります。
創れる物の割り振りは
ツボミ…食品類
コユキ…飲料・薬品類
ホノカ…装飾品類
フウコ…衣服・布製品類
となっています。
合成の成功率的にいうと、ツボミのアイテムは全体的にレベルが低めなので成功しやすく、逆にホノカのアイテムは全体的にレベルが高めなので成功しづらいです。
おまけに素材もホノカのは全体的に値段が高めであったり入手しづらかったりするので、注意が必要です。
まぁその分、成功時の見返りはでかいわけですが。
また合成ではたまに大成功して通常よりも成果物が多くなったり、レベルの高いアイテムができあがったりします。
これは精霊力が上昇すれば起こりやすくなるようです。
大成功が起こりやすくなると、安い素材で高レベルのアイテムが作れたりするのでとても便利です。
ですが大成功ばかりが起こるようになってしまうと、今度は低レベルのアイテムを創ろうとしても高レベルのアイテムしか出来ず、気付けば素材がなくなっているということもありえるので、注意が必要です。
高レベルのアイテムができるのにわざわざ低レベルのアイテムを創る必要があるのかといわれればたしかにそうなのですが、ぶっちゃけ低レベルのアイテムは売れ行きがいいのに高レベルのアイテムはまったく売れず在庫があまりまくってしまうということがあるから困ったものなのですよ。
あと行商人のおじいさんからの依頼品を合成するときにも高レベルのモノばかりできてしまい目的のモノができないということもおこります。
まぁモノには限度があるってことですね。




そして上記で合成パートと一緒に今作から新規登場したもうひとつのパートと説明している「お店経営」。
これは主人公の家をお店として開放し、娘達が合成したアイテムを陳列して売るというものです。
このお店経営パート、アイテムの値段を自分で設定したり、陳列位置を自由に決められたりと、ある程度は色々やることができます。
どのアイテムが売れるのか、どのくらいの値段に設定すれば売れ行きがいいか、どの陳列位置が売れるのか、この3つがわかるようになるまでは苦労しますが、慣れてしまえばどうということはないですよ。
そして慣れてくると売れ筋がわかってくるので、エンディングまでにいくら稼げるのかに挑戦すると面白いですよ。
ちなみに私は最終的には所持金が2千万エンほどになりました。
売値は高いですが成功率が微妙な宝石類を避けてこの結果だったので、真面目に宝石類を合成して売っていけばもっと稼げたかもです。
まぁネット上で競ってるというわけではないので、この結果が凄いのかどうかは不明ですけどね。
ただ、本気で稼ぎ方を研究すればもっとガッポリ稼げると思われるので、私のは凄い記録というわけではないのでしょうけど。
ちなみに一気に稼ごうとしてアイテムの値段をあまりにも上げすぎると売れないどころか、逆にお店の人気が下がって客がこなくなるみたいなので注意が必要です。
お店の人気が上がれば多少は高めの値段にしても客が買っていってくれるので、そこら辺のさじ加減が重要となります。
とりあえず定価の1割増くらいなら結構問題なく売れますよ。




また今作のHイベントは初夜イベントが2週目の週末に発生し、それ以降は上記で述べたとおり恋力が一定値に達したら発生するという「Fifth」に近い形式となっています。
1日にHイベントをおこなえるキャラは1人までなので、もし同数値のキャラがいた場合は、ツボミ〜フウコといった感じに名前順で優先させるようです。
さらにHイベントをおこなったからといって、1日の体力減少が増えるわけではないので安心して見ることが出来ます。
それなりに回数も多く、なにより4人ルートに入ると行けるようになる秘密の店で特殊アイテムを購入するとさらにバリエーションが増えるので、そっちに期待している人も満足できるでしょうw
てか、まさかFifthシリーズでスク水と体操服を拝める日がこようとは…
これが世界観を一新した成果か…
ですが、特殊アイテムを用いてのHイベントはおこしすぎるとバッドエンドになるみたいなので、注意が必要です。
まぁ私は特殊アイテム使わないHイベントの方が好きなのでまったく問題ないですけどね(ぉ








・音関係
「Fifthのテーマ」は今作でも健在。


Fifthシリーズの曲といえば、Fifthのテーマ。
今作でもこの曲はもちろん健在です。
さらに今作では曲だけでなくハミングも追加されていて、ちょっと豪華になっています。
それと今作ではボーカル曲が2曲となり、一応OP曲、ED曲となっています。(ただし4人ルートのエンディングにはOP曲が使用されています。)
OP曲である「虹の彼方へ…」はかなり可愛らしい曲で、さらにイントロの部分に「Fifthのテーマ」が使用されている、FifthシリーズのOPとしては申し分ない曲です。
ただしこの曲が使用されている公式HPから落とせるデモムービーの出来はぶっちゃけ微妙すぎ…
なんかね、やる気を感じられないw
また個別ルートのED曲である「コノソラノシタ」は私的にRune作品中屈指の名曲だと思ってます。
切なくも優しい歌詞とメロディ、さらにそれらを儚げに歌い上げるボーカルのコンボは、心の深い所にグッときました。
この曲が個別ルートのエンディングで初めて流れたとき、正直軽く目が潤んでたw
なんというか、今作はエンディング展開と曲の組み合わせがネ申がかってた。
てか、個別ルートと4人ルートのED曲を別にしたのはナイス判断すぎ。
この2つのルートのエンディングは結末の意味が完全に異なるので、ED曲が一緒だったらすごい違和感を覚えていたところですよ。
個別ルートは「コノソラノシタ」がピッタリですけど、4人ルートだけは終わり方的に「虹の彼方へ…」でないと違和感ありすぎですし。


今作は世界観を一新したためか、BGMもそれに合わせて多少の変化が加えられています。
前作に近い感じの曲もあれば、まったく新しい空気の曲もあるのはそのためだと思われ。
お気に入りは「安らぎの我が家」。
あのまったり感なくつろげる曲調がいい感じです。




今作の音声はFifthシリーズ初となる、フルボイス仕様となっています。(お店に来る客は除く。)
てか、Fifthシリーズで男性陣に声がついたのは初のことです。
といっても男性陣は2キャラしかいませんけどねw
そもそも立ち絵のあるキャラが娘達含めても総勢7人しかいないからな…
それでもFifthシリーズ最多なところがなんとも言えない…


んで声優も「思春期」と被りまくってるのにはビックリしました。
まぁ発売した順番的には「Fifth Aile」の方が先なので、「思春期」が「Fifth Aile」と被りまくってるということなのでしょうけど。
てか、まだメインキャラの方々が「思春期」とは性格が異なるキャラを演じていたからいいものを…
しかし、六花の中の人は「Fifth」「Fifth TWIN」ではユウ、「思春期」では咲子と常にサブキャラしか演じてないのは大宇宙の意思か何かですかw
一応全キャラとも声のイメージと演技は問題ないレベルでしたが、私は正直コユキに違和感が…
普段の演技はまぁ問題ないんですけど、Hイベントになると微妙にキャラが保てなくなるんですよ。
やっぱこの人は、元気っ娘や明るいキャラとかの方が似合ってる。








・絵、キャラ
娘達があの4人だから、素晴らしいのである!




天魔の設定を変更したためか、前作までの「幼精期と少女期」というものが今作にはありません。
そのため、最初から最後までこの見た目のままです。
また世界観が別物をいうことを強調するためか、CGの塗りがパステル調(でいいのかな?)になっているのもまたミソです。
全体的に明るく、可愛らしくなっているのが特徴です。
さらにファンタジー色を薄れさせるためか、幻想的なCGもだいぶ減りました。
現に4人ルートのラストCGは幻想的というより、家族としてのあたたかみを重視してましたし。
一応個別ルートのラストCG(ツボミはエピローグ前のCG)は場所と展開のため、幻想的に仕上がってますが。
あと、さすがに3作品の中で一番新しい作品だけあって、塗りの綺麗さはトップレベルです。


ちなみに今作では前2作での儀式成功時のCGのような微妙に隠しっぽくなっているCGは、おでかけ時のCGくらいです。
これはおでかけ時に特定キャラがレアアイテムを発見すると見れるCGで、それぞれの場所で見れるキャラが決まっています。
このCGはかなりランダム要素が高いため、CG回収の人泣かせとも言えるでしょう。




上記でも触れましたが、今作は立ち絵のあるキャラの登場数がFifthシリーズ中最多ですが、シナリオに関わってくるサブキャラの登場数は一番少ないのです。
というか、今作はほぼお父様と娘4人でシナリオが進み、ルートによっては残りの3人のサブキャラがからんでくるといっただけで、1つのルートにしか登場しないサブキャラというのがぶっちゃけいないに等しいのです。
そのため1つのルートのみに登場するサブキャラが何人もいた前作までと比べると、世界観が狭くなってるというのは否定できません。
ですがその分一人一人のキャラの性格や背景を複数のシナリオに渡ってじっくり見せることができたため、1人のキャラとしての存在感はかなりあります。


ちなみに今作はどの娘が1番萌えましたかと聞かれても正直答えられません。
それほどまでにどの娘も萌えレベルが高すぎでした。
おしとやか、不思議っ娘、おませさん、元気っ娘、とそれぞれタイプはわかれていましたが、どの娘が1番なんて選べねぇ…
てか、実にどの娘もいい子でっせ。
そしてこの4人の掛け合いが微笑ましすぎるんですよ。
正直この娘達は4人いるから、この4人だからこその面白さ微笑ましさがあるので、1人でも欠けると駄目なんですよ。
ですから私は個別ルートよりも4人ルートの方が好きです。


あと今作の主人公であるお父様も、Fifthシリーズではもはやお馴染みのしゃべらずに、「あなたは…しました。」といった感じに表示されるだけでした。
いまだに慣れませんが、もはやそこにつっこむ気も失せました。
むしろそれ以上に気になったのが、お父様のヘタレっぷり。
前2作のお父様達と比べると、いっそうヘタレっぷりが際立ちます。
なんというか、状況に流されておろおろあたふたしすぎなんですよ。
たしかに今作のお父様は前2作のお父様達と違って、自分の力で天魔を出会う方法を探し当ててそれを実践して天魔と出会ったわけではなく、偶然天魔と出会いました。
そのため天魔に関する詳しい知識も無ければ、ユウのように天魔について助言をくれるキャラも今作にはいません。
なのでいろんな場面であわてたり混乱してしまうというのは理解できますが、それにしても情けないとこばかりが目に付きました。
さらに今作は娘達がそれなりにしっかりしていたり、娘達が世界における自分達という存在の意味を理解していた描写が目立ってしまったため、なおお父様の頼りなさが際立ってる…
この辺、もうちょっとなんとかできなかったのですかね?
いくらなんでも頼りないお父様すぎたので…
まぁ娘達の心の支えになるという重要な役目はちゃんとはたしていましたが。


あとは今作では娘達の視点から語られる場合が意外と多いです。
そのときも「〜が〜しました。」口調なのですが、難しい言葉はひらがなやカタカナとなっており、さらに言い回しも子供っぽくなっているのが嬉しいところです。
さすが、わかってらっしゃるw
相変わらず「〜が〜しました。」には慣れませんが、これなら少しは受け入れられると思ったところです。








・シナリオ
1周がとんでもなく長い。




Fifthシリーズ中どころか、普通のギャルゲーエロゲーと比べても明らかに1つのルートをクリアするのに時間がかかります。
ぶっちゃけ最初は1人のルートをクリアするのに40時間以上かかりました。
何故そこまで時間がかかるのか、それは前2作とは変更されたゲームでの1日の流れが関係しています。
前作までは


朝:儀式、街へでかける(TWINのみ。)
昼:娘とのふれあい(Fifthではマナと話すか出掛けるかの2択。)
夜:就寝 or Hイベント


といった流れでしたが、今作では


朝:研究所、街探索
昼:店運営 or お出かけ or お昼寝
夜:合成、アイテム使用、Hイベント、就寝


になりました。
おまけに今作では曜日の概念が加わり、そのため前作までの何日単位ではなく何週の何曜日となりました。
1週間の割り振りは「月、火、水、木、金、休日(2日間あるっぽいので土、日のことだと思われ)」となってます。
ちなみに休日は上記の流れとは異なり、まるまるイベントとなります。
このため1週目を終えるには朝昼夜を5日間分こなし、さらに週末はイベントが発生する、といった流れとなります。
これが21週目まであるのですから、そりゃ時間もかかるってものですよ。
単純計算しても100日以上あるんですから。
これにイベントもからんでくるとなると、もう…
ですが、長いだけあってシナリオの出来栄えはFifthシリーズ中最高レベルです。
どのルートも中々に読み応えがあり、普通に面白いです。
娘達4人のキャラがしっかりと確立されているというだけでなく、おそらく前2作よりも娘達とのふれあい、娘達同士の掛け合い、娘達との何気ない日常に重点が置かれているからだと思います。
特に娘達同士の掛け合いはとても微笑ましく、見ていてマジで和めますw
ただそれを他の要素が少々邪魔してる感があります。
特に合成とお店経営は後半になるとただの作業となってしまう可能性が高いので、モチベーションが下がりやすいのです。
なので後半はいかに合成とお店経営に楽しみを見出すかがポイントとなってくるでしょう。
また後半になるまではイベントがおこってシナリオが進むのが休日だけなので、休日以外の5日間はただ合成とお店経営を繰り返す作業となることが多く、シナリオのテンポが悪いともいえます。
一応こっちに関しては後半になると多少改善されますが。


このように今作は1周クリアするだけにえらく時間がかかるためか、ルート分岐がとても簡単です。
なんせ11週目の週末に誰をお父様係に選ぶかという選択肢で選んだ娘のルートに入るのですから。
他にルート分岐条件はありません。
かつてここまでルート分岐がわかりやすく簡単なゲームがあっただろうかというくらいです。
ちなみにここで誰かなんて選べないと選ぶと4人ルートとなります。
そのため今作では娘それぞれの個別ルートと4人ルートの計5つのルートがあります。
どのルートも条件は上記のとおり1つの選択肢を選ぶだけで、4人ルートですら特殊アイテムなどまったく必要ないのです。
なので11週目のこの選択肢でセーブしておけば、2人目以降をクリアするときの時間短縮となります。
てかこの手を使わないと、全ルートクリアにとんでもない時間がかかると思われ…


それと今作では1人の娘には1つのルートしかないため、天使編や悪魔編といったものが存在しません。
そのためエンディングは前2作の人間編と同じになります。
違うのは個別ルートでは選んだ娘だけ、4人ルートでは4人全員という点です。
ちなみに今作では翼が生えるイベントが発生せず、エンディング手前でようやく翼を生やした4人の姿を見ることが出来るのですが、このときに生えてる翼は4人全員が天使の翼なんですよ。
てっきりホノカとフウコは悪魔よりだと思っていたので、これにはビックリしました。
まぁ今作での天魔を前2作の天魔と一緒にして考えられるものではないのですけどね。


ではそれぞれのルートについて語ってみますか。







  • 「ツボミルート」-

ツボミをお父様係に選ぶとこのルートとなります。
常に控えめで自分よりも周りの意見を優先させるツボミ。
それはお父様の世話係になっても変わりありませんでした。
そんなある休日、娘達は街で若い夫婦とその夫婦の赤ちゃんに出会います。
そして赤ちゃんの可愛らしさを見ているうちに娘達は赤ちゃんがほしいと言い出しますが、なんとかお父様と六花が赤ちゃんは簡単にはできないと説得するのでした。
それからツボミにある体調の変化がおとずれます。
それは突然吐き気をもよおしたり、すっぱいものを好むようになったり、とまるで妊娠しているかのような…
てな感じに話が進んでいきます。
このためツボミルートは天魔の新たな可能性を切り開いたシナリオともいえるでしょう。
まさかFifthシリーズでこのようなシナリオを拝める日がこようとは…
見た目とか考えるとチャレンジャーすぎるだろ、マジで。
ですが何気にシナリオの完成度は全シナリオ中No.1だったりするから侮れないのです。
シナリオのテーマ、娘達の心境の変化、そして結末、と実にうまく出来ています。
おまけにツボミルートは個別ルートの中では唯一エピローグがあります。
これらのことから察するに、個別ルートの中ではツボミルートがメイン的な位置にあるのではないかと思われ。
このゲームのアイコンの絵もツボミですし。
てか、このエピローグはあれだけのヤバイネタを披露してくれた「思春期」をある意味越えたな…
まぁ「思春期」とは世界観が違いすぎるので比べられるもかどうかは微妙なところですが…
なんせ「Fifth Aile」は前2作に比べるとファンタジー要素が薄まったとはいえ、「思春期」と比べると思いっきりファンタジーだし。







コユキをお父様係に選ぶとこのルートとなります。
ある日みんなで街で出掛けたとき、コユキは壊れた腕時計を拾います。
そしてその壊れた腕時計の声を聞いたコユキをある決意を固めるのです。
といったように、コユキルートはこの壊れた腕時計にまつわるお話となっています。
そしてコユキルートは唯一立ち絵のあるキャラが全員本格的にシナリオにかかわってくるという豪華さもあります。
そのためか個別ルートの中ではひとつの目的のために最後までみんなが一丸となって頑張る唯一のシナリオとなってました。
てか、このシナリオでは研悟もかなり話に関わってくるわけですが、彼の空回りっぷりは見ていて笑えるものがありました。
というかあんたもロリコンだったのかとwww
でも完全にアウトオブ眼中なところは哀れ以外のなにものでもなかったです。
ちなみにこのシナリオではおさげを解いたコユキのCGが数枚あるのですが、私的には普段のおさげ姿よりも髪をおろしたこっちの姿の方が好みです。
なんで普段からこっちじゃないのだろうとも思いましたが、よく考えたら髪をおろした方はツボミやホノカと見た目がかぶtty(ry







  • 「ホノカルート」-

ホノカをお父様係に選ぶとこのルートとなります。
ホノカが六花のネックレスとしてつけていた銀細工に興味を持ち、作り方を教わって自作に挑戦することになります。
銀細工の製作自体はホノカの優れたセンスによりかなり良い作品ができるのです。
これがきっかけで六花の友人達に作ってほしいと依頼されるようになるのですが、ホノカにはおとうさま係という立場もあり…
といった感じに話が進んでいきます。
このシナリオでは最終的にホノカがあることを学ぶことになるという前2作でお馴染みの展開になります。
まぁシナリオが長い分、前2作よりも読み応えがありますが。
てか背伸びしたがりなホノカですから、てっきりそっち方面でシナリオを進めるのかと思ってたらなかなかに意外な方向へ進み始めてくれました。
とりあえず予想外ではありましたが、面白かったので私的には問題なしです。
ちなみにホノカのみ、ラストエッチイベントが1週早かったりします。
そのため実際に試してないので定かではありませんが、ラストエッチイベントをした後に通常のHイベントが発生するということもありえるのではないのでしょうか?
いや、だからなんだと言われてしまえばそれまでのことですがw







  • 「フウコルート」-

フウコをお父様係に選ぶとこのルートとなります。
フウコは常に元気いっぱいで好奇心旺盛なのですが、興味のあるものを見つけたら周りが見えなくなるため、はたから見てると危なっかしくもあります。
そんなフウコがいろんなことを経験して少しずつ成長してゆく、言わばフウコの成長物語、それがフウコルートです。
というか全ルート中最もキャラの成長に重点が置かれているシナリオでもあるんですよ。
と言ってもちゃんと後半には他の娘達と同じくひとつの小道具がシナリオにかかわってきます。
それはウエディングドレスです。
しかしそのウエディングドレスの展開が予想外な終わり方をむかえてくれたので、私的にはちょいと驚きました。
まさかこうくるとは思ってなかったので。
またフウコルートは場所が場所なだけにラストエッチはかなり幻想的に仕上がっています。
シチュエーション的に4人のなかでは1番いいと思われ。
ちなみにフウコは六花の家にお泊まりに行ったときに見れるお風呂イベントのCGでのみ、髪をおろした姿を見ることができます。
何気に新鮮ですが、コユキと違ってフウコは髪をおろした姿よりも普段のツインテール姿の方が似合ってると思った今日この頃w







  • 「4人ルート」-

誰かを選ぶなんてできないを選ぶとこのルートとなります。
4人の娘達との色々騒がしくも幸せな日々。
そんな永遠に続くかとさえ思えた日々にも少しずつかげりが見え始めます。
世界各地で起こってる異常気象、天魔の伝承、娘達の心境の変化…
そして娘達はある決意をするのだった…
といった感じにこのルートは娘達との微笑ましい日々を見つつ、今作における天魔という存在と物語の根底に触れていくことになります。
このシナリオはおそらく「Fifth Aile」の真のエンディングだと思われ。
1周目からいけることや明確にそう提示した資料がないため断定はできないわけですが、前2作での真のエンディングから考慮するにこのルートこそが「Fifth Aile」の真のエンディングだと私は思っています。
誰か1人でも駄目、誰か1人がいなくても駄目、やっぱり4人一緒じゃないと、ということです。
シナリオ自体も物語の深い部分を語るわけですし。
実際、個別シナリオではそれぞれのキャラの話がメインとなるため、あまり今作の物語の謎を解き明かしたりはしません。
まぁそれほど深い謎があるわけではありませんが、そこにちゃんと触れるのはこのシナリオだけです。
そういう意味でもこのシナリオが「Fifth Aile」の真のエンディングだと思うわけです。
そしてこのシナリオだけエンディング曲が違うのですが、その理由はエンディングを見れば納得といったところです。
たしかに「コノソラノシタ」は名曲ですが、4人ルートで流すとエンディング展開と空気がずれるのですよ。
もしこの組み合わせでやるとしたらエンディング手前で「コノソラノシタ」を流してそれからエピローグとしてエンディングとなるでしょう。
そういう意味でも4人ルートだけエンディング曲が「虹の彼方へ…」なのでしょうね。
「虹の彼方へ…」の歌詞の最後の1文は、まさに4人ルートで言いたかったことのひとつですしね。


ちなみにこの4人ルートは私が今作で一番好きなシナリオでもあります。
何故なら個別ルートは「他の3人の想いも受け継いで1人が還ってくる」といったところなのですが、やっぱなんとなくさびしいわけですよ。
普通のエロゲやギャルゲなら選んだヒロインとこの先2人で歩いてゆくってのがあたり前ですし違和感も感じません。
ですが今作ではどこか物足りなさを感じてしまいます。
なので「4人の娘達と共に過ごしていく日々」こそがこの作品のエンディングにもっともふさわしいと思いました。
てかある意味ハーレムエンドともいえるわけですが、今作はそんな終わり方に違和感を覚えない珍しい例といえるでしょう。


ちなみにこのルートでのみ、Fifthシリーズ恒例のおもらしというかおねしょイベントが発生しますよ。
それも週末をまるまる使ってやってくれます。
この力の入れっぷり、今作は娘達のキャラがたってるから話を作りやすいということを差し引いても、さすがというしかないわw








・まとめ
Fifthシリーズの新たなる可能性を見事に開拓した作品。




前2作とはあまりにも違いすぎる世界観や天魔の設定に最初は驚きもしましたが、慣れてしまえばこれはこれで面白いですよ。
天魔の設定を変更しつつも根底は変えずに、別の世界観でもFifthという作品の物語を描けることを証明したのですから。
まぁ変更点がでかすぎただけに、Ffithとは別の作品になってしまってるという意見も完全に否定できないわけですが…
ただし問題なのは、これで世界観を変更してもFifthという作品を描けると調子にのってしまう可能性があることが怖いですね。
実際今までも色々挑戦して変な方向に迷走して当初のコンセプトを見失なって人気を無くした作品というのは腐るほどあります。
なので今後もシリーズ化していくのなら、製作スタッフにはFifthシリーズのテーマはなんであるか、を見失わずに頑張って欲しいです。


てか、仮にFifthシリーズの次回作がでるとしたら娘の数は何人になるんだろ?
1人→2人→4人、と増えてきてるので、やっぱ次は8人…
12人の妹達にでも対抗するつもりか?
まぁ付属のファンブックの野々原氏のコメントにも似たようなことが書かれていますが、8人も娘達を描くのが大変なのでさすがに勘弁してくださいとのことです。
でもRuneなら、Runeならきっと…(ぉ


しかし、今作はなんとも他人に勧めづらい作品となってしまいましたね。
シナリオの出来やキャラ同士の掛け合いなど面白い部分は多いのですが、途中でだれてしまいやすいことや何よりエンディングまで時間がかかりすぎるということなど、なんとなくでやってみようという人は挫折しやすい作品だと思います。
Runeファンであるとか、ロリゲーが好きだとか、経営パートのようなコツコツやるものが好きだ、などのこのゲームをやる理由が最低2つはないと、1周すら危ういかもですよ。
え、私?
まったく問題ありませんでしたが、何か?